フロイトとラカン
精神分析論集

ルイ・アルチュセール著
小倉孝誠・菅野賢治・石田靖夫訳

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A5判 上製 380頁 本体価格4700円 2001年4月中旬刊行予定 
                         ISBN4-409-03061-2(専門・教養/思想・心理)

≪目次≫

1 フロイトとラカン
フロイトとラカン/「フロイトとラカン」のヴァリアント/
付録――「フロイトとラカン」の英語版のための注

2 Dへの手紙

3 言説理論に関する三つのノート

4 転移と逆転移について(携帯用のちょっと不謹慎な言葉)

5 トビリシ事件
フロイト博士の発見/付録――「フロイト博士の発見」に関する
エリザベート・ルディネスコの注釈を読んだ後、アルチュセールが彼女に宛てた手紙

6 「被分析者の名において…」
ジャック・ラカンを援用する被分析者と精神分析家への公開状/
一九八〇年三月十五日のPLMサン=ジャックの集会に関する補足的考察

7 ジャック・ラカンとの往復書簡
ジャック・ラカンとの往復書簡/付記――現代文書資料研究所(IMEC)の
アルチュセール・コレクションに保管されている精神分析に関する主なテクストと資料

原注/訳注/訳者あとがき/主要人名索引

≪訳者、内容紹介≫

石田靖夫 イシダ ヤスオ
1954年生。京都大学大学院博士後期課程フランス語フランス文学専攻修了。千葉大学法学部助教授。専門はフランス文学。訳書:L・P・ヴィダル=ナケ『記憶の暗殺者たち』(人文書院、1995)、L・ハヌーン『アルジェリアのためのもう一つの声』(柘植書房新社、2001)、『アンテルナシオナル・シチュアシオニスト』全六巻(共訳、インパクト出版会、1994〜2000)。

小倉 孝誠 オグラ コウセイ
1956年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。パリ第四大学(ソルボンヌ)新制度文学博士。東京都立大学人文学部助教授。専門は近代フランス文学と文化史。著書:『19世紀フランス 夢と想像』(人文書院、1995、澁澤・クローデル賞)、『19世紀フランス 光と闇の空間』(同、1996)、『19世紀フランス 愛・恐怖・群衆』(同、1997)、『歴史と表象』(新曜社、1997)、『<女らしさ>はどう作られたのか』(法蔵館、1999)、『近代フランスの事件簿』(淡交社、2000)。訳書:Ph・ルジュンヌ『フランスの自伝』(法政大学出版局、1995)、A・コルバン『音の風景』(藤原書店、1997)、G・フロベール『紋切型辞典』(岩波文庫、2000)など。

菅野賢治 カンノ ケンジ
1962年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。パリ第十大学(ナンテール)文学博士。東京都立大学人文学部助教授。専門はフランス文学。訳書:M・リュビー『ナチ強制・絶滅収容所』(筑摩書房、1998)、G・ミノワ『未来の歴史』(共訳、同、2000)
               ★  ☆  ★  ☆  ★

1990年のアルチュセールの死後、本国では、未発表文書や書簡を現代文書資料研究所(IMEC)が整理し、遺稿集として刊行、すでに完結している。一昨年、邦訳第一弾として『哲学・政治著作集』全二巻が藤原書店から刊行されたが、本書はいわば邦訳第二弾。アルチュセールの精神分析に関わるほぼすべてのテクスト、およびラカンとの往復書簡をはじめ重要な書簡を集大成したもの。マルクス主義哲学者と精神分析の理論家という一見奇妙な取合せの妙――アルチュセールはフロイト理論が形成された歴史的・イデオロギー的背景と、マルクス理論が形成されたそれとの相同性を認めたうえで、マルクスを解釈するために精神分析の概念装置を援用した――がよく理解できる内容となっている。また、パリ・フロイト派の解散の経緯などが克明に綴られており、歴史資料としても一級である。

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