【叢書 文化研究3】
書名:
文化の窮状
      20世紀の民族誌学、文学、芸術
                              
原著タイトル
 
The Predicament of Culture
   Twentieth-Century Ethnography, Literature, and Art
                        ―James Clifford―
  

著者:ジェイムズ・クリフォード
訳者:
太田好信・慶田勝彦・清水展・浜本満・古谷嘉章・星埜守之
                      太田好信解説 

価格:6000円
サイズ:
A5判上製 600ページ 
ISBN4-409-03068- (専門/現代思想:カルチュラルスタディーズ、ポストコロニアリズム、文化人類学)

★ 2003年1月16日刊行

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目次
序章 純粋なものは、狂ってしまう

第一部 言説
民族誌の権威について/民族誌における権力と対話――マルセル・グリオールのイニシエーション/民族誌的自己成型――コンラッドとマリノフスキー

第二部 転置
民族誌的シュルレアリスムについて/転置の詩学――ヴィクトル・セガレン/君の旅について話してくれ――ミシェル・レリス/新語のポリティクス――エメ・セゼール/植物園――ポストカードより

第三部 収集
部族的なものと近代的なものの歴史/芸術と文化の収集について

第四部 歴史
『オリエンタリズム』について/マシュピーにおけるアイデンティティ

原注/訳注

往還する時間  ジェイムス・クリフォードへのインタヴュー
解説 批判的人類学の系譜
(太田好信)

主要用語集/文献一覧/索引


内容紹介

はじめて「文化」概念の再考を提起した名著、一大解説を付して待望の完訳

これまで一般的に信じられてきた文化概念では、グローバルな移動が日常になっている現代世界を理解することはもはやできなくなっている。脱植民地化の過程において、文化の諸断片はただよい、根を断たれたアイデンティティにこの世界はみたされてしまった。そこでは忘れたはずの植民地主義の遠い記憶が、突如として現在生起しつつある事態と結びついてしまう。脱植民地化の時間は往還する時間なのである。では空間的にも、時間的にも錯綜している現代世界を把握するためにどのような方途があるのだろうか。著者クリフォードは文化概念そのものの変更を主張する。「有機的な一体性をもち、ある土地に根ざした固有のもの」という硬直した文化概念を捨てること。純粋で真正な文化などもはやありえないことを知り――それを嘆くのではなく――、断片的で混淆した文化のありようを評価し、根(ルーツ)をなくしたものの経路(ルーツ)をたどること。こうすることで、これまでとは違った世界が見えてくる。原書刊行からすでに10年以上を経過しているが、その衝撃力はいまだ衰えていない。熱讃者は後を絶えず、引用・言及される頻度や範囲においても第一級の基本文献といえる。【叢書 文化研究】の続編として、日本でクリフォード的実践をおこなう第一人者による最新インタヴューと超力作解説を付して万全の構えで刊行する。


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