≪編者、内容紹介≫ 鈴木雅雄 すずき まさお
1962年生。東京大学大学院博士課程中退、パリ第7大学博士課程修了。早稲田大学助教授。シュルレアリスム研究。
著訳書:『地中海 終末論の誘惑』(共著、東京大学出版会、1996)、『シュルレアリスムの射程』(編著、せりか書房、1998)、シェニウー=ジャンドロン『シュルレアリスム』(共訳、人文書院、1997)、ブルトン『魔術的芸術』(共訳、河出書房新社、1997)
真島一郎 まじま いちろう
1962年生。東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教授。国立コートディヴォワール大学民族=社会学研究所客員研究員。文化人類学。
訳著:『岩波講座文化人類学9 儀礼とパフォーマンス』(共著、岩波書店、1998)、『植民地経験』(共著、人文書院、1999)、『現代アフリカの紛争』(共著、アジア経済研究所、2000)、ルービン『20世紀美術におけるプリミティヴィズム(T・U)』(日本語版監修・共訳、淡交社、1995)
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実体的な文化概念の解体のあと、私たちはいまどこにいるのか。 内/外なる絶対的な他者の驚異をまえに、 並置と混淆に賭けた二十世紀思想の閃光
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いわゆる未開社会の芸術や神話、あるいはそこに住む人々の思考方法に西洋世界は終始関心を持ちつづけてきた。とりわけ今世紀においては、このことが文化現象全般にわたって甚大な影響を及ぼした。本書は非西洋からの影響を「野生の思考」の浸透拡張と捉え、この思考がいかに深く今日的な知と美の体系に刻印され、いかに多様に具現しているかを考察する論集である。具体的には、近代人類学が成立した20〜30年代を中心に、今世紀の西洋世界がどのように異文化=他者と接触し、それを言語化してきたのかをみる。これは同時に、「文化」が、それまで支配的であった価値観や道徳観を批判する概念に変わる過程をみることでもあり、結果、現代思想の大きな問題系を提示することになるだろう。現代思想と人類学を専門にするニ編者のもと、渡辺公三、谷川渥、守中高明などの気鋭論者のほか、海外からの直接寄稿多数。テーマの一貫性と論の高い密度を誇る本来的な共同研究。
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