書名:スピリチュアリティの現在 宗教・倫理・心理の観点 監修:湯浅泰雄 価格:2500円 |
目次 |
霊性問題の歴史と現在 湯浅泰雄 WHOのスピリチュアリティ提案/哲学と科学、そして医療と経済発展/霊性と心身関係/ヒッピーのアジア探検(1950年代)/対抗文化の明暗(1960年代)/ポストモダン時代と大衆の感受性/倫理問題の基本をどう考えるか/科学方法論と霊性問題/人体の科学と気のエネルギー/キリスト教における霊性的体験/男性性と女性性の統合/心情的感受性、フェミニズム
スピリチュアリティとキリスト教――身体性と三位一体論の関連を通して 永見 勇 先端医療技術の倫理と宗教――いのちの始まりとスピリチュアリティ 島園 進 「スピリチュアリティ」を使う人々――普及の試みと標準化の試みをめぐって 葛西賢太 精神医学とスピリチュアリティ 大宮司信/村田和香 ユングと自己のスピリチュアリティ――自己の四つの位相をめぐって 渡辺 学 フェミニスト神学の視点から社会倫理を再考する――スピリチュアリティ・平和をめぐって 岡野治子 人生物語としてのスピリチュアリティ――現代医療の現場で 宇都宮輝夫 監修者・執筆者略歴 |
監修者・内容紹介 |
湯浅泰雄 ゆあさ やすお
1925年生まれ。東京大学文学部。文学博士。山科大学、大阪大学、筑波大学、桜美林大学の教授を経て、退官。桜美林大学名誉教授。専門、関心分野は日本思想、倫理学、心理学、身体論、宗教と科学。今後の仕事の方向として、倫理と信仰の心理学的研究、科学方法論、気と東洋医学などの分野。
主著:『身体論――東洋的心身論と現代』(講談社学術文庫)、『気・修行・身体』(平河出版)(以上2点はニューヨーク州立大学出版局より英訳刊行)、『ユングとキリスト教』(人文書院、のち講談社学術文庫)、『ユングとヨーロッパ精神』『ユングと東洋』『共時性の宇宙観』(以上、人文書院)、『身体の宇宙性』『宗教経験と身体』(以上、岩波書店)、『和辻哲郎』(ちくま学芸文庫)ほか、現在、『湯浅泰雄全集』(全18巻、白亜書房)刊行中
癒し、ホスピス、安楽死、脳死、臓器移植、代替医療、医療人類学、臨床心理、臨床哲学、21世紀の人間理解に欠かせないスピリチュアリティの問題!
最近、スピリチュアリティ(霊性)という言葉が注目されている。20世紀の科学やテクノロジーが逢着したさまざまな壁、特に人間の「心」の問題は、世紀を超えて現代の思想状況のなかで大きな重要性を占めている。本書は、医療、宗教、哲学、心理のさまざまな局面から現代における霊性問題の広がりとそれが提示する論点を集約した意欲の論集。
「霊性問題の歴史と現在」(湯浅泰雄)「先端医療技術の倫理と宗教」(島薗進)のほか「スピリチュアリティとキリスト教」「精神医学とスピリチュアリティ」「ユングと自己のスピリチュアリティ」「人生物語としてのスピリチュアリティ」など。