書名:
ことばとイマージュの交歓
         フランスと日本の詩情

著者:宗像衣子

定価:3675円 (本体価格3500円+税175円)
サイズ:A5判上製 
316ページ 刊行日2005年6月 
ISBN4-409-04073-1 (専門/美学・詩論)

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目次
まえがき

第一部 融合の意識と源泉の探求
第一章 ヴェルレーヌの詩情――パラドックスと芸術史的価値:はじめに/生と作品/二つの詩/「詩法」/音楽と絵画の詩/絵画の流れ/印象派、象徴主義、そして抽象/第二章 アポリネールの文芸――詩画融合観のあり方:はじめに/活動の広がり/『カリグラム』/マラルメの『骰子の一擲』/同時性と継続性/文学・芸術の流れ/ 第三章 ミショーの源泉――文学と絵画の境界域:はじめ/生涯/第一段階、ことばから絵へ/第二段階、生命の運動と墨/第三段階、メスカリン画の発生と展開/創作における問題意識/他の芸術家たち/創造の源泉

第二部 創作の共有
第一章 エリュアールとピカソ――芸術と社会:はじめに/エリュアールの生/文学観/ピカソとの親交/芸術の伝統に対して/現実と芸術/第二章 シャールの芸術世界と自然――「ヴァン・ゴッホのあたり」をめぐって:はじめに/生涯/「ヴァン・ゴッホのあたり」におけるモチーフ/芸術家たちとの親交/詩の場所/芸術と自然

第三部 ジャンルを越える視線
第一章 ピュトールとゴッホ――絵の中の文字:はjめに/ピュトールの芸術意識/ゴッホにおける文学的なものと文字/日本とのつながり/自然主義/第二章 ゴンクールとロチ――日本の芸術と社会:はじめに/ゴンクールの日本美術理解/ロチの見る日本と日本人/錯綜/第三章 ブラックとバルト――イマージュと文学の間、日本の文化:はじめに/ブラックの箴言集『昼と夜』/マラルメの想起/バルトの思索/連鎖へ

第四部 芸術の共鳴と文化の響き合い
第一章クシューとジャポニズムの価値――文学と美術の伝播:はじめに/ジャポニズムと俳句/P・L・クシューにおけるマラルメと蕪村/B・H・チェンバレンの日本研究/R・H・ブライスの共感/俳句の芸術的広がり/マラルメの視野/日本文芸文化/第二章 マラルメから蕪村を管見――写生と夢想:はじめに/マラルメの思考/蕪村の生涯/詩の世界/絵の世界/画俳融合の在り方/共通性と相違性/比較文芸・比較文化/第三章 文学・美術と文化の流れ――欧米から日本から:はjめに/クシューとヴォカンスの実践/ジャコチの思索/ボンヌフォワとカラフェルト/日本における評価/詩の時間と空間/マラルメとバルト/日本文化をめぐって/おわりに

註/あとがき/図版リスト/主な参考文献/人名索引


著者・内容紹介

宗像衣子 むなかた きぬこ
京都市生まれ。1972年、 京都大学文学部文学科仏文学専攻卒業、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。新ソルボンヌ・パリ第V大学文学博士。現在、神戸松蔭女子学院大学文学部教授。
著作:Lyrisme et abstraction : Mallarmé, ouverture vers l'art contemporain, Septentrion, France, 1997、『マラルメの詩学――抒情と抽象をめぐる近現代の芸術家たち――』(勁草書房、1999年)、「宇宙のアナグラム・宙空のアラベスク――マラルメの『骰子の一擲』序論」(『トランスフォーメーションの記号論』日本記号学会、1990年所収、「詩のことば――マラルメの抽象性をめぐって」(『現代詩手帳』思潮社、1992年所収)、「文体と芸術ないし文化の様式――マラルメの詩学――」(『文体論研究』文体論学会、1994年所収)、「マラルメにおけるワーグナー――詩人の夢想、賛美と留保の彼方――」(『ワーグナーヤールブーフ』東京書籍、1996年所収)等。


文学と芸術──ジャンルの枠と国の文化を超えて行き交うものへのまなざし

19世紀末の象徴派詩人マラルメの詩学をささえる絵画や音楽との関わり、その後のさまざまな詩人・芸術家たちの、文学世界と造形芸術や音楽など芸術諸ジャンルとの関連を探り、ことばとイマージュのもろもろのつながりを浮き彫りにする。ヴェルレーヌ、アポリネール、ミショー、エリュアール、シャール、ビュトール、ゴンクールとロチ、バルト、ゴッホやブラックほか、蕪村の俳句世界まで。既刊の著書に『マラルメの詩学──叙情と抽象をめぐる近現代の芸術家たち』(勁草書房、1999年)がある。


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