書名:マレーヴィチ考 「ロシア・アヴァンギャルド」からの解放にむけて 著者:大石雅彦 価格:8500円 |
目次 |
はじめに 第一章 マレーヴィチという問い:無対象絵画の系譜/崇高の提示 第二章 『スタイル』の交替――現代美術史:絵画「システム」と「付加的要素」/印象主義からイタリア未来派まで/スプレマチズム――無対象のスタイル・存在論・認識論/一枚の絵画――《白地の上の黒い正方形》 第三章 スプレマチズム/からの生成変化:習作時代/ネオプリミティヴィズム/立体未来主義/スプレマチズム/ポストスプレマチズム 第四章 《太陽の征服》上演:詩と絵画のインターフェイス/立体未来主義の祝祭 第五章 思想としての無対象:「四次元」の問題系/レーニンそのものと主義となったレーニン/芸術における「党」 第六章 世界の造形:美術――製作・研究・教育・行政/飛行都市(アエロゴロド) おわりに 註/あとがき |
著者・内容紹介 |
大石雅彦 おおいし まさひこ
1953年生。早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。早稲田大学文学部教員。選考はロシア・アヴァンギャルド、文化記号論。
著訳書:『ロシア・アヴァンギャルド遊泳』(水声社、1992)、『「新青年」の共和国』(同、1992)、『聖ペテルブルグ』(同、1996)、Yu・M・ロトマン『映画の記号論』(平凡社、1987)、『ロシア・アヴァンギャルド――レフ』(共編訳、国書刊行会、1990)
絵画の零と無限、スプレマチズムをこえて
スタイルの交替をかさね「現代美術史」を一気に駆け抜けたマレーヴィチ、抽象絵画に不可欠の「崇高」を独自なかたちで昇華する無対象絵画「スプレマチズム」を完成。だが、最後の一枚のその先へと画家の造形思考は止まるところを知らない。絵画の臨界点を突き破り、ポストスプレマチズムの「絵画」を再び始動、ウノヴィス結成やアルヒテクトン、プラニト等の創造など、絵画からデザイン、建築へと独自の世界建設へ向う。言葉と造形と実践が相争う場「マレーヴィチ」の問いを明かす世界初の試み。口絵は代表作200点を網羅したプチ画集。著者は早稲田大学教授、『ロシア・アヴァンギャルド遊泳』(水声社)等。