書名:
ジュリアン・グリーン研究序説
     『幻を追う人』『モイラ』の読解

著者:井上三朗

価格:3800円
サイズ:
A5判上製 400ページ 刊行日2002年8月 
ISBN4-409-14054-X (専門/文学・評論)

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目次
序論 1 ジュリアン・グリーンの位置時代のなかで/小説の流れのなかで 2 グリーン研究の歩みとこの論文の目標:グリーン研究の歩みとこの論文の研究的立場/この論文の目標と意義

本論
第一部 『幻を追う人』
序章
第一章 欲望の世界:マリー=テレーズの信仰と官能のめざめ/プラス婦人のサディズム的態度と不幸への愛/マニュエルの欲望の苦悩/『在り得たこと』における欲望の世界/まとめ
第二章 死の魅惑と恐怖:マリー=テレーズの死の想念/プラス婦人の不幸への愛と死への歩み/マニュエルの死の想念と恐怖/死の城の住人たち/まとめ
終章

第二部 『モイラ』
序章
第一章 ジョゼフを取りまく人物たち:プレロー/サイモン/デーヴィド/<取るに足りない>人物たち/モイラ/まとめ
第二章 ジョゼフの内なるドラマ:神への志向/内なるものへの志向/<violence>と信仰の関連/まとめ
第三章 『モイラ』の中の秘められた物語:サイモンの物語/モイラの物語/プレローの物語/まとめ
終章

結論


著者・内容紹介

井上三朗 いのうえ さぶろう

1949年、京都市に生れる。1971年、大阪外国語大学フランス語学科卒業。1979年、京都大学大学院文学部研究科フラン語学フランス文学専攻、博士課程単位取得。現在、山口大学人文学部教授。専攻 フランス文学、比較文学。
訳書:ジュリアン・グリーン『つみびと』(共訳、人文書院「ジュリアン・グリーン全集」第11巻所収)

(* ジュリアン・グリーン全集は全巻品切)


20世紀の孤高の作家ジュリアン・グリーンの幻想と宿命の文学作品を初めて本格的に論じる

1900年生まれで1998年に他界したジュリアン・グリーンは、同じく20世紀を生きたJP・サルトルがアンガージュマン(参加)の作家であったに対して、対極のデガージュマン(不参加)の作家であるといえるだろう。歴史の動きのなかで翻弄される人間を描きながらも外なる現実、社会や政治とは距離を置き、ひたすら人間の内部世界を凝視することに作家生命を賭け、肉体と魂、死すべき運命、不可解な自我、そして孤独に作家的関心を集中した数々の作品を残した。本書はグリーンの数多くの創作群のなかから、『幻を追う人』と『モイラ』の2作品に焦点を絞ってその文学世界を見事に解き明かした初めての本格的評論。

著者は山口大学文学部教授。

 

 


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