書名:
変身の神話

著者/訳者: ピエール・ブリュネル/門田眞地子

定価:2625円 (本体価格2500円+税125円)
サイズ:四六判上製 252
ページ 刊行日2004年6月 
ISBN4-409-14056-6 (専門/文学)

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目次
日本語版への序文
序論

第一章 メタフォール(隠喩)とメタモルフォーズ(変身):ミトスとロゴス  暗に示されることから明白に述べられる内容へ  模倣(ミメーシス)  幻想的なものの状況  神話化と非神話化  変身の詩歌/第二章 起源神話:異常なものと平凡なもの  起源神話の成り立ち  変動的な因果関係/第三章 人間の起源神話:生物が形を変えてゆくこと  創造主による世界創造  重い負担を課すこと  その原初の形を求めて―仲介 前進 後退/第四章 成長の神話:天体・生命平行論の神話としての変身―農耕・月の神話 神話の拡大  胎児、幼虫と蛹―アリスと青虫 グレゴール・ザムザの幼虫的な存在  成長と栄養―グレゴール・ザムザの食物 『不思議な国のアリス』の中で許された食物と禁じられた食物  内面の成長―『不思議の国のアリス』における<大人への移行の先取り>グレゴール・ザムザ、そして<真の生活>に入ること/第五章 退行の神話:不動の運動という逆説―<アリス>において大きくなることと小さくなること/カフカの『変身』における身長の変化の問題  相容れない力の働き―子供時代と大人との狭間にいるドジソン/カフカ、すなわち庇護するものと庇護されるものの弁証法  禁治産者の違反―オイディプス的関係 エロスとタナトス 著作への強い欲求  罪としての変身―逆行の度合い 退行の諸原因 退行の限界/第六章 再生の神話:想像の世界への依拠  執行猶予の存在  別の生命/結論

注/変身に関する参考テクスト/変身に関する小事典/訳者あとがき/参考文献/索引


著者・内容紹介

ピエール ブリュネル
1939年フランス生まれ。1970年からソルボンヌ・パリ第W大学教授。比較文学研究センター及び比較文学国際コレージュを設立。1995年からはフランス比較文学研究所正教授。ソルボンヌ大学フランス文明講座ディレクター。ポール・クローデルの博士論文以来、アポリネール、プルースト、ランボー、ビュトール、ユーゴー、その他の研究書、スタンダール、マルロー、ジロドー、サルトル、ボードレール、などの編著のほか、神話文学批評に関心を持ち神話辞典なども編纂、音楽への造詣も深い。


<変身>のテーマをめぐり古今の文学作品の独創性を見事に解析!

ギリシア・ローマ神話や『聖書』から、ノーベル賞作家アストゥリアスの『トウモロコシの人たち』まで、アプレイウス『黄金のロバ』、オウィディウス『転身物語』、ダンテの『神曲』あるいはシェークスピア、ロートレアモン、カフカ、キャロル、イヨネスコ、果てはマヤ‐キチェ・インディアンの『ポポル・ヴフ』など、起源神話、成長の神話、退行の神話、再生の神話などを軸に文学における創造と想像の問題を理路整然と豊かに展開した比較文学研究の労作。


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