書名:手塚治虫少年の実像 著者:泉谷 迪 価格:1700円 |
目次 |
まえがき 第一章 手塚治虫の育った環境:恵まれた家庭環境/附小時代 幸運だった自由な教育/北中時代 戦争と抑圧の時代/手塚治虫の戦争体験/阪神地区の風土 阪神間モダニズム 第二章 手塚作品の軌跡:悪書追放運動と子どもマンガ/戦争反対の問題/生命の尊厳/「火の鳥」と「ブラック・ジャック」における生命観 第三章 手塚作品の到達点:「アドルフに告ぐ」/「陽だまりの樹」 第四章 手塚治虫断章:手塚治虫はディズニーを超えたか/手塚治虫のアニメへの執念/手塚治虫の国際交流活動/手塚治虫は天才か/手塚治虫は医者だったか 第五章 その壮絶なる最後 第六章 未刊の終章:手塚作品におけるナチスの残像/手塚作品における差別の問題 あとがきにかえて(泉谷悦子)/主要参考文献 |
著者・内容紹介 |
泉谷 迪 いずたに すすむ
1928年生。大阪府池田師範学校附属小学校(現、大阪教育大学教育学部附属池田小学校)卒。大阪府立北野中学校(現、大阪府立北野高等学校)卒。旧制 第三高等学校 中退。新協印刷株式会社 取締役社長。1999年病没。
2003年4月7日、鉄腕アトム誕生記念出版!
天才というより努力の人だった! 身近にいたクラスメートがいま語る誰も書かなかった手塚治虫。
日本が生んだ世界的漫画家は大阪の生まれ。惨劇の舞台として名を馳せることになった池田附属小学校から北野中学校で幼少年期を過ごす。著者は小学・中学を通してのクラスメートの一人。その目に映じた手塚少年とは?
阪急宝塚の木々に囲まれた邸宅で、200冊ものマンガ本、模型の機関車、ピアノや蓄音機、手回し映写機で写すミッキーマウスやポパイetc.の裕福な家庭環境。昭和10年代初頭の教育モデル校の自由な雰囲気のなかで伸びのびと過ごした小学時代。天賦の才を信じて「マンガ家になれ」と激励した母親。その芽をけっして潰すことのなかった教師たち。そして1941年から戦後へと、戦争と狂気の時代にぴたりと重なる中学時代から阪大医専での医者修業のなかで次第に培われた、戦争反対や生命の尊厳のテーマ群とストーリーテラーとしての無類の感性。
手塚治虫少年の「実像」がつぎからつぎへと同級生の愛情と友情にみちた目を通して、級友たちの証言ともども語られる。手塚治虫スタンドバイミーの世界