ラテンアメリカからの 問いかけ ラス・カサス、植民地支配から グローバリゼーションまで
西川長夫・原 毅彦編
≪立命館大学「多文化社会と国民国家」シリーズ第4回≫
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≪目次≫
序・「向こう岸」からの問いかけ:西川長夫 新しい世界史記述の誕生:石原保徳/「他者化、自然化」をめぐって:清水 透/まつろわぬインディオ像の創出:小林致広/インディオの人種的憎悪をめぐって:初谷譲次 コラム ネプリハ:清水憲男 奴隷への郷愁:鈴木 茂/ハイチからの問いかけ:浜 忠雄/西インドの奴隷とイギリスの労働者:布留川正博 コラム 米国での奴隷制廃止運動:加藤恒彦 白色化された国民:小澤卓也/国民国家の歴史と民族の記憶:細谷広美/今日のミッション:原 毅彦 コラム ラスト・タンゴ・イン・アルゼンチン:原 毅彦 「国民音楽」から、異なるものたちへのコミュニティへ:東 琢磨/コラム 政治(まつりごと)は音楽に乗って:ホセ・ドゥルック/マルチニック紀行:三浦信孝/ラテンアメリカ略年表
西川長夫 にしかわ ながお 1934年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。2000年3月、立命館大学国際関係学部を定年退職。 主著:『フランスの解体?――もうひとつの国民国家』(人文書院)、『国民国家論の射程――あるいは「国民」という怪物について』(柏書房)、『地球時代の民族・文化理論』(新曜社)他。 原 毅彦 はら たけひこ 1953年生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位収得退学。立命館大学国際関係学部教授。文化人類学 著書:「キリスト教と人類学」(『社会人類学年俸』1988年15巻)、「偽の聾者/偽の他者」(『ろう文化』青土社)他。 ★ ☆ ★ ☆ ★ コロンブスの「アメリカ」発見から500年、野蛮な神を信仰し、自らの歴史を語る言葉をもたない劣った民族――西欧の目からこのように見られ、虐殺され、「向こう岸」視されてきたラテンアメリカ。著者たちは本書で、近代の西欧中心主義を否定し、インディオや黒人やメスティ−ソの言葉と行動に耳を傾け、世界史のなかにラテンアメリカを位置づける。豊かな文化をもちながら、世界システムに巻き込まれ、国民国家の道を歩まざるをえないラテンアメリカ。アフリカの空気ともアジアの空気ともちがう、ラテンアメリカ(カリプ海諸島、中米、南米)に視点を当てる。
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