書名:日系アメリカ人の歩みと現在 著者:ハルミ・ベフ編 価格:1800円 |
目次 |
はじめに(ハルミ・ベフ) 太平洋を跨ぐ北アメリカへの移住――定住をめざす逆境での苦闘 坂田安雄 ネットワークでつながる日本人移民社会 坂口満宏 日系開拓史――学芸員の目を通して アケミ・キクムラ-ヤノ(翻訳・多田幸子) 戦中期の強制収容と戦後の活躍 ハルミ・ベフ 変貌するリトルトーキョーと二世ウィーク ハルミ・ベフ 越境する演劇活動――日系三世ロバータ・ウノの世界 山本岩夫 タイコにみる伝統の創造――日系アメリカ人の新しい音楽 寺田吉孝 あとがき(ハルミ・ベフ 山本岩夫) 年 表(坂口満宏)/著者略歴 |
著者・内容紹介 |
編者:ハルミ・ベフ
一九三〇年米国ロサンゼルス生まれ。少年期を日本で過ごし、戦後帰米。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒。ウィスコンシン大学で人類学博士。スタンフォード大学で三〇年教鞭をとり退職、名誉教授に。96年から2000年まで京都文教大学で、現在はスタンフォード大学で研究に従事。
主著:『日本―人類学的入門』(社会思想社、現代教養文庫)、『増補新版 イデオロギーとしての日本文化論』(思想の科学社)。他
日本近現史に欠落した部分。日系アメリカ人の足跡をたどる
明治元年にハワイ出稼ぎ移民の開始から130年。慣れない環境での重労働、低劣な住空間、東洋人差別と移民排斥の嵐。さらには太平洋戦争中の「敵国人」嫌疑と強制収容。一世・二世たちはこのような苦労の中で、祖国日本との絆を失わないため、ロサンゼルスのリトルトーキョーを中心に日系コミュニティを作って生きてきた。戦後になって日系人は力をつけるとともに、アメリカ社会に積極的に進出し、多文化共生を実践するようになる。また、戦時中の強制収容の誤りを合衆国政府に認めさせて補償をかちとるなど、公民権運動も活発に担うようになる。このような日系アメリカ移民の歴史と現在を、わかりやすく、感動的に説いたのが本書である。