書名:森と海を結ぶ菜園家族 21世紀の未来社会論 著者:小貫雅男/伊藤恵子 定価:2310円
(本体価格2200円+税110円) |
目次 |
はじめに 第一章 「菜園家族」構想の基礎 第二章 「菜園家族」構想と今日的状況:危機のなかのジレンマ 誤りなき時代認識を 「構想」の可能性と実効性 誰のための、誰による改革なのか グローバリゼーション下の選択 二一世紀の“暮らしのかたち”を求めて
第三章 「菜園家族」の世界史的位置
第四章 自然社会への道 第五章 日本列島が辿った運命:森と海を結ぶ流域循環 森から平野への移行 高度経済成長と流域循環 「日本列島改造論」 断ち切られた流域循環 終末期を迎えた「拡大経済」 幻想と未練の果てに 重なる二つの終末期
第六章 森と海を結ぶ「菜園家族」
第七章 二一世紀、近江国(おうみのくに)循環型社会の形成 文献案内/あとがきにかえて |
著者・内容紹介 |
小貫雅男 おぬき まさお
1935年中国東北(旧満州)、内モンゴル・ホルチン左翼中旗・鄭家屯生まれ。1963年大阪外国語大学モンゴル語学科卒、65年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪外国語大学教授を経て、現在、滋賀県立大学人間文化学部教授。専門は、モンゴル近現代史、遊牧地域論。
著書:『遊牧社会の現代』(青木書店)、『モンゴル現代史』(山川出版社)、、『異文化体験のすすめ』(共著、大阪書籍)、『騎馬民族の謎』(共著、学生社)、『モンゴル史像の再構成』(モンゴル語版、高槻文庫)、『遊牧社会―現在と未来の相克の中で―』(モンゴル語版、高槻文庫)、『菜園家族レボリューション』(社会思想社)など。
映像作品に『四季・遊牧―ツェルゲルの人々―』(共同制作、大日)がある。
伊藤恵子 いとう けいこ
1971年岐阜県本巣群生まれ。1995年大阪語国語大学モンゴル語学科卒、1997年同大学大学院外国語学研究科修士課程修了、1999年総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程中退。現在、滋賀県立大学人間文化学部非常勤講師、里山研究庵Nomad研究員。専門は、遊牧地域論
論文:「遊牧民家族と地域社会―砂漠・山岳の村ツェルゲルの場合―」(滋賀県立大学人間文化学部紀要『人間文化三号)など。映像作品に『四季・遊牧―ツェルゲルの人々―』(共同制作)、そのモンゴル語版『Malchin
Zaya』(製作統括)がる。
ゴビ・遊牧民に学び、地域づくりの可能性を追求したい! 都市から山里へ、また相互の循環の輪のなかでつくる新しい生き方の提示
「大地」から切り離され、「いのち」から遠ざかった現代の都市型社会に生きざるを得ないわたしたち。しかし、わたしたちはどうあがいても、この母なる大地から離れて生きてはゆけない、結局そこに帰ってゆかざるを得ないのではないか……。
永年のモンゴル遊牧社会のフィールド調査から見えてきた一つの「生きる原型」──それとの対比から、琵琶湖東の里山研究をベースに「森(山・里)と海(湖・川)」を連結・循環するライフスタイル、未来社会への積極的な方向性を提示する。週の2日は従来型の収入確保の職業に就き、あとは自給自足の家庭菜園に従事するという「週休5日」の大胆至極の提案が内包する、新しいタイプの生き方は、疲弊しきった現代人に思いもかけない逆転の発想をもたらすことだろう。
著者関連事項:映像作品『四季・遊牧─ツェルゲルの人々─』は全国自主上映展開中。
* 里山研究庵 NOMADのHPへ
http://www.satoken-nomad.com/