書名:
身体で読むファンタジー 

編者:吉田純子

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判上製 246
ページ 刊行日2004年12月 
ISBN4-409-24071-4 (専門・教養/ファンタジー文学批評・ジェンダー)

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目次
はじめに

T 「生む性」の悪夢と再生
第1章 フランケンシュタイン・コンプレックス  阿部美晴/第2章 アースシーで自ら生まれ変わる  吉田純子

U モンストラス・フェミニン
第3章 ドラキュラと女たち――汚穢、そして「場」と媒体  細川祐子/第 4章 アンジェラ・カーターの怪物たち――破壊者から創造者へ  細川祐子

V 野生と文明のインターフェース
第5章 もののけ姫の汚い、危険な身体  吉田純子/第6章 目ざめればチンパンジー  吉田純子

おわりに/初出一覧/参考文献


編者・内容紹介

吉田純子 よしだ じゅんこ
1946年大阪生まれ。 立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学総合科学部教授を経て神戸女学院大学文学部英文科教授。アメリカ文学、特にアメリカ児童・思春期文学の文化論的研究。
著書:『アメリカ児童文学――家族探しの旅』(阿吽社、1992)、『少年たちのアメリカ――思春期文学の帝国と〈男〉』(阿吽社、2004)。共著に Bridges for the Young (Scarecrow Press,2003), The presence of the past in Children's Literature (Greenwood Press,2003), 『アメリカ小説の変容』(ミネルヴァ書房、2000)など。
訳書:ザイプス『増補 赤頭巾ちゃんは森を抜けて』(阿吽社、1997)、同『おとぎ話が神話になるとき』(共訳、紀伊国屋書店、1999)、トライツ『ねむり姫がめざめるとき』(共訳、阿吽社、2002)など。


ジェンダー化された女性の身体性をファンタジーから読み解く。

ファンタジーとは何か? それは「見えないものを見えるように描き出すこと」。ユング心理学に倣うまでもなく、無意識下の夢や不安、願いや欲望を解読する手掛かりを、文学や映画のファンタジー作品に求めることができる。グリム童話が「男の空想」(メールファンタジー)を下敷にしていることは、よく知られているが、本書では、生む性としての「女の空想」が自ら描きはじめた女性の身体、セクシャリティに注目するところに特色がある。こうした空想が描き出した女性の身体は、どれも皆フリークスじみている。彼らが辿る変身、そして悪夢からの再生の道筋を、女性の魂の再生と解放に託す異色の論集。


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