書名:身体で読むファンタジー 編者:吉田純子 定価:2520円
(本体価格2400円+税120円) |
目次 |
はじめに T 「生む性」の悪夢と再生 U モンストラス・フェミニン V 野生と文明のインターフェース おわりに/初出一覧/参考文献 |
編者・内容紹介 |
吉田純子 よしだ じゅんこ
1946年大阪生まれ。
立命館大学大学院文学研究科修士課程修了。広島大学総合科学部教授を経て神戸女学院大学文学部英文科教授。アメリカ文学、特にアメリカ児童・思春期文学の文化論的研究。
著書:『アメリカ児童文学――家族探しの旅』(阿吽社、1992)、『少年たちのアメリカ――思春期文学の帝国と〈男〉』(阿吽社、2004)。共著に Bridges
for the Young (Scarecrow Press,2003), The presence of the past in Children's
Literature (Greenwood Press,2003), 『アメリカ小説の変容』(ミネルヴァ書房、2000)など。
訳書:ザイプス『増補 赤頭巾ちゃんは森を抜けて』(阿吽社、1997)、同『おとぎ話が神話になるとき』(共訳、紀伊国屋書店、1999)、トライツ『ねむり姫がめざめるとき』(共訳、阿吽社、2002)など。
ジェンダー化された女性の身体性をファンタジーから読み解く。
ファンタジーとは何か? それは「見えないものを見えるように描き出すこと」。ユング心理学に倣うまでもなく、無意識下の夢や不安、願いや欲望を解読する手掛かりを、文学や映画のファンタジー作品に求めることができる。グリム童話が「男の空想」(メールファンタジー)を下敷にしていることは、よく知られているが、本書では、生む性としての「女の空想」が自ら描きはじめた女性の身体、セクシャリティに注目するところに特色がある。こうした空想が描き出した女性の身体は、どれも皆フリークスじみている。彼らが辿る変身、そして悪夢からの再生の道筋を、女性の魂の再生と解放に託す異色の論集。