書名:
フリーターにとって「自由」とは何か

著者:杉田俊介

定価:1680円 (本体価格1600円+税80円)
サイズ:四六判並製 
222ページ 刊行日2005年10月 
ISBN4-409-24072-2(一般・教養書/社会問題・労働問題)

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目次
第一部 現在へ――現状分析論

はじめに:誰とたたかうべきか?――ささやかだけれど、譲れない信の問題

1−1 フリーターとは誰か/フリーターは階層である? /ニートとは誰か? /フリーターは何の当事者なのか
1−2 政治や企業は、不意r−ター的労働者を便利に使い捨てようとしてきたし、今後もそうする/派遣労働者はフリーターの典型である/正職員になりたいけれど、なれない/世界的な動向として、若年層が貧困化している
1−3 フリーターはやる気がない? /仕事格差が存在する! /フリーターVS若年正職員?! /失業率という条件
1−4 フリーターになりやすい  出られない人々の層がある/日本型雇用システム(とその家族像)は当たり前か/女性労働者はすべからく不安定労働層である? /女性労働者=依存労働者? /女性労働者VS女性労働者?
1−5 フリーエージェントとは誰か? /勝ち組フリー労働者VS負け組みフリーター? /フリターとセキュリティ型権力・T/フリターとセキュリティ型権力・U/フリターとセキュリティ型権力・V
1−6 労働者にとって自由とは何か?(原点)/働くの? 遊ぶの? /弱者と敗者、あるいはそこからこぼれおちるもの/フリターの自己責任
1−7 フリーターは誰を収奪しているのか? /先進国にとって貧困とは何か? /遠い他者と近い他者、あるいはただの他者/〈資本−国家−国民〉という怪物/フリーターの数は今後も々増大する(だろう?)
1−8 フリーターは野宿生活化する? /パラサイトと世代批判/問いの転回――真の普遍性へ/(構造)から構築されるもの――〈子ども〉と〈弱者〉/フリーターと年金問題/まず、何をなすべきだろう?
1−9 なにもないというエッセンス――存在する権利? /どうしようもなさ、勇気、怒り

〔少し長い付録〕生活の多元的な平等のために――分配の原理論ノート

第二部 未来へ――Kさんへの手紙

第三部 フリーターに関する二〇のテーゼ

註/引用・参考文献一覧/あとがき


著者・内容紹介

杉田俊介 すぎた しゅんすけ
1975年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了(日本文学専攻)。卒業後アルバイトを転々とし、3年前より、川崎市で障害者サポートNPO法人勤務。現在、ヘルパーとして障害者福祉の仕事にあたる。
批評誌「エフェメール」主宰
HP「批評的世界」 http://www5c.biglobe.ne.jp/~sugita/


私たちは、もっと怒っていい。その怒りを社会に投げつけていい。労働の現場から生まれた渾身のフリーター論。たたかいは、これからだ。

現在フリーター人口400万人超、増加し続ける非正規雇用、将来2人に1人がフリーター? 想像を絶したこの現実をどう考え、何をすべきか、未来を変えうる強靭な実践とは何か。フリーター的労働者の立場から、社会とフリーター自身の問題を抉り出す、気鋭による論考の誕生。「若年層労働問題」の枠を超えた広汎な視野からの犀利な分析と、吹き上がるパッションが織りなす渾身の力作。既存のフリーター論、労働論を根底から打ち砕く。「たとえば…何ヶ月かハローワークに通いネットを駆使し人脈をたどり各社で面接を受けたが落ちまくった。不採用の通知さえ来ない。金も気力も尽き果てた。使い捨て型正社員や日雇や派遣や時給七八○円のコンビニに採用された。藁にすがって働いた。働けば働いたで、灰色の日々の中で「これでいいのか」と不安や陰鬱さが染み出す。暗い何かが自分の中で刻々と鬱血し、澱んでゆく。相変らず貯金はない。あってもわずかだ。働き続けるしかない。時が過ぎる。淡々と年を取っていく。それでも日常の泥濘の中でもがき続ける。そんなあなたたちの話だ、これは。」(本書より)


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