書名:
〈野宿者襲撃〉論

著者:生田武志

定価:1890円 (本体価格1800円+税90円)
サイズ:四六判並製 
254ページ 刊行日2005年11月 
ISBN4-409-24073-0(教養/社会問題)

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目次

全篇
「人の命は大切」なのか? /野宿者襲撃は「正義」だったのか? /「九〇年代、少年犯罪は凶悪化した」のか? /少年たちが野宿者襲撃をしているとすれば、少女たちは何をしているのか? /「まったり革命」とは何だったのか? /「まったり革命」が追い抜かれたとき、何が語られるべきなのか?

後編
野宿者襲撃の性質は変化しつつあるのか? /アンケートに見る中学・高校生の野宿者への意識/「一九六八年革命」と共同体の崩壊/「学校内虐待=いじめ」と「学校外虐待=野宿者襲撃」と/なぜ野宿者襲撃は思春期に特有な行為なのか?/終章 日本における「八九年革命」とは何だったのか?

付録 野宿者問題の授業

註/あとがき


著者・内容紹介

生田武志 いくた たけし
1964年,千葉市生まれ。岡山県倉敷で育つ。同志社大学在学中(数学史専攻)から大阪・釜 ヶ 崎に通い,さまざまな日雇労働者・野宿者支援活動に関わる。2000年,キルケゴール論「つぎあわせの器は、ナイフで切られた果物となりえるか?」で群像新人文学賞・評論部門最優秀賞受賞(『群像』2000年6月)。他に「シモーヌ・ヴェイユのために」(『群像』2001年3月)など。現在,野宿者ネットワーク,釜ヶ崎・反失業者連絡会などに参加。

ホームページ  http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/lastdate.htm


胸を衝く衝撃。少年らによる野宿者への集団暴行から鮮烈に捉える10代のいま。

報道による印象とは裏腹に、戦後日本の青少年の殺人者率は下がり続けている。しかし、その一方で数十年前から日常的に頻発する、少年らによる極めて残虐な暴行事件が存在する。それが野宿者襲撃である。時には明確に殺害を目的とした集団暴行。彼らはなぜ襲うのか。根深い社会の偏見、少年・少女を覆う日常のストレス、存在の不確実感、血を見るような生々しさへの希求…。襲撃を乗り越え、社会で居場所(ホーム)を失った二つの「ホーム」レス(野宿者/少年・少女)に連帯の道を開くにはどうする? 資本・国家・家族の変容とともに、若者の生の声を拾いつつ、10代のいまを鮮烈に描き出す気鋭による力作。わかりやすくコンパクトな「野宿者問題の授業」付き。


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