書名:フロイト全著作解説 著者:
ジェームズ・ストレイチー 定価:6300円
(本体価格6000円+税300円) |
目次 |
日本語版前書き/日本語版編集方針/〔総括的序文〕/〔翻訳にあたって説明を要するいくつかの専門用語に関する覚書〕
大学記念祭派遣助成金を得て行なったパリとベルリンへの研究旅行に関する報告(1956a[1886])/シャルコー著『神経系の疾患に関する講義 第3巻』の翻訳への序文(1886f)/あるヒステリー男性にみられた半側感覚喪失の重症例の観察(1886d)/〔2つの短い書評〕(1887) アヴァーベック著『急性神経衰弱』の書評(1887a)、ウェア・ミッチェル著『ある種の神経衰弱とヒステリーの治療』の書評(1887b)/ヒステリー(1888b)/〔催眠法と暗示に関する諸論文〕(1888-1892)/ベルネーム著『暗示』の翻訳への序文(1888[1888-9])/アウグスト・フォレル著『催眠法』の書評(1889a)/失語症の理解のために(1891b)/催 眠(1891d)/催眠による治癒の一症例「対立意志」によるヒステリー症状の起源に関する、論評を添えて(1892-93)/シャルコー著『サルペトリエール病院での火曜講義』(1887-8)の翻訳への序文と脚注(1892-94)/〔1893年の「予報」のためのスケッチ〕(1940‐41[1892]) (A)ヨーゼフ・ブロイアーへの手紙(1941a[1892])、(B)メモV(1941b[1892])、(C)ヒステリー発作の理論について(1940d[1892])/器質性運動麻痺とヒステリー性運動麻痺の比較研究についての2、3の考察(1893c[1888-1893])/〔フリース宛文書からの抜粋〕(1950[1892-1899])/科学的心理学草稿(1950a[1895]) 付録
〔フロイトの退行概念の使用法〕、付録 〔フロイトのフリースへの1896年1月1日付の書簡39<手紙86>の抜粋〕<略>、付録
〔Qの性質〕/ヒステリー研究(1893-1895) 付録
〔エミー・フォン・N夫人の症例に関する年譜〕/『1893年から1906年の神経症学説小論集』への序文(1906b)/シャルコー(1893f)
/ヒステリー現象の心的機制について(講演)(1893h) |
監訳者・内容紹介 |
北山 修 きたやま おさむ
精神分析医。1946年、淡路島に生まれる。1972年、京都府立医科大学卒業。札幌医科大学内科研修生を経てロンドンのモーズレイ病院およびロンドン大学精神医学研究所で卒後研修。帰国後、北山医院(現南青山心理相談室)院長。1991年より九州大学教育学部カウンセリング講座助教授、1994年同教授。2000年より九州大学大学院人間環境学院教授、2001年より同大学院医学研究院教授を兼任。医学博士。国際精神分析協会正会員、日本精神分析学会会員、日本語臨床研究会事務局長。
主著:『悲劇の発生論――精神分析の理解のために』(金剛出版、1982年)、『錯覚と脱錯覚――ウィニコットの臨床感覚』(岩崎学術出版社、1985年)、『心の消化と排出――文字通
りの体験が比喩になる課程』(創元社、1988年)、『見るなの禁止』(岩崎学術出版社、1993年)、『言葉の橋渡し機能――およびその壁』(岩崎学術出版社、1993年)、『自分の居場所』(岩崎学術出版社、1993年)、『幻滅論』(みすず書房、2001年)、『精神分析理論と臨床』(誠信書房、2001年)
監訳書:D・W・ウィニコット『抱えることの解釈』(岩崎学術出版社、1989年)、P・J・マホーニィ『フロイトの書き方』(誠信書房、1996年)、『D・W・ウィニコット『小児医学から精神分析へ』(岩崎学術出版社、2005年)
フロイト精神分析著作のスタンダード・エディションとして評価の高いストレイチー版全23巻の著作解説を一冊にまとめた、現在最も必要とされる「フロイト著作辞典」。企画立案より十数年、ついに待望の刊行。フロイト理解のための必携の書。
・フロイトの精神分析論文へのストレイチーの解説をすべて訳出。
・原書にある独語版、英語版データに加え、あらたに日本の読者のために邦訳のデータを知る得るかぎり付加した。アルス刊行のフロイド精神分析大系や春陽堂刊行のフロイド精神分析学全集など、邦訳の歴史的な代表例を挙げるだけでなく、最新の邦訳例をも掲げた。
・人文書院版著作集、日本教文社版選集ほか、書簡、伝記の類まで、リファレンスの必要な箇所にはそれぞれの巻数・頁数を掲げて便宜をはかった。
・論文の日本語名タイトルによる目次を巻頭に、また英語・独語・諸国語名タイトルによる索引を巻末に掲げて、スタンダード・エディションとの相互参照を容易にした。
・英語圏読者しか必要としないデータは適宜削除し、日本語読者の便利さを最優先に編集。
・ストレイチー版刊行後の新発見の諸事情、研究上の変遷などは訳注を最大限に利用して必要な解説を加えた。