書名:仕事としての心理療法

著者:渡辺雄三編

サイズ:A5判上製  286ページ 本体価格3800円
ISBN4-409-39003-1 (専門/臨床心理)(オンデマンド版)

《目次》
序 章 仕事としての心理療法 渡辺雄三/第一章 本当の自己を抱えること 三宅朝子/第二章 治療者が自分の空想に想いを巡らすこと 岡田光夫/第三章 「とどまること」そして「あきらめること」 白井聖子/第四章 患者と心理療法家の焦り・怒り・無力感の相互体験 山田 勝 /第五章 「良い治療者」を演じようとすること 緒賀由美子/第六章 抜け出る道を探すこと・自分の力を獲得すること 浅井桂子/第七章 来談者が心理療法家に求めるもの心理療法家が応えようとするもの 高橋蔵人 /第八章 混沌とした心の世界とのかかわり 佐藤明美/第九章 破壊されずにかかわること 丹羽くみ恵/ 第十章 患者と治療者の「あいまいさ」について 來田泰明 /第十一章 自然とともにいることをめざして     三輪友木子/第十二章 日常生活を生きるための心理療法 石黒直生
 あとがき 渡辺雄三

《内容》
 
本書は単なる心理療法の事例報告ではない。各執筆者とも、クライエントとの心理療法過程を詳しく語りながら、クライエントが抱える問題に重ねて、心理療法の仕事を遂行していくうえで、現在それぞれが直面している内的な課題について触れている。その内的課題の多くは、執筆者のほとんどが述べているように、心理療法家自身の逆転移感情や個人的問題と密接に結びついている。心理療法において心理療法家は、クライエントの転移感情にたえずさらされ、同時に、心理療法家自身の個人的な問題を内に抱え、自身の逆転移感情に直面させられながら、クライエントの前に存在し続けなくてはならない。これは、心理療法家自身が自覚している以上に困難な仕事のようである。(序章より)

渡辺雄三(わたなべゆうぞう)
1941年生
 名古屋大学工学部中退。佐藤神経科病院、松蔭病院勤務を得て1987年「渡辺雄三分析心理室」を開設。分析心理学的心理療法に従事。臨床心理士
著書:『心理療法と症例理解(誠信書房 1988) 『臨床心理学体系 第9巻』(共著 金子書房 1989)『病院における心理療法』 (金剛出版 1991)『夢分析による心理療法』(金剛出版 1995)『転移/逆転移』(共著 人文書院 1997)

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