書名:
共感と解釈
     
    続・臨床の現場から

著者:成田善弘・氏原 寛編
訳者:

価格:3800円
サイズ:
A5判上製カバー装 270ページ 刊行日2001年月 
ISBN4-409-34023-9 (専門/臨床心理)

                                                 内容紹介欄へ

目次

まえがき(氏原 寛)
序章 共感と解釈 患者と治療者の共通体験の探求(成田善弘)

第一章 心理臨床における関係性の体験からみた共感と解釈                      藤原勝紀
第二章 言葉を超えないこと 共感から解釈へ  松本邦弘
第三章 「共感のない解釈」と「解釈のない共感」  李 敏子
第四章 「共感」の解釈  中本征利
第五章 相手に中に自分を見いだすとき  岡田 敦
第六章 行動化―その共感と解釈  鈴木 龍
第七章 共感の大切さとむずかしさ  菅 佐和子
第八章 共感と解釈 ユング心理学の視点から  横山 博
第九章 夢分析における共感と解釈  渡辺雄三
第十章 共感―不可能な可能性  藤山直樹
終章  告白、解明、教育、変容 共感と解釈をめぐって  氏原 寛

あとがき(成田善弘

 

著者・内容紹介

成田善弘 (なりたよしひろ)
    1941年生まれ。名古屋大学医学部卒業。椙山女学園大学人間関係学部教授
    精神科医、臨床心理士
    主要著書『精神療法の第一歩』(診療新社、1981年)/『心身症と心身医学』(岩波書店、1986年)
          『心と身体の精神療法』(金剛出版,1996年)他多数

   氏原 寛 (うじはら ひろし)
   1929年生まれ。京都大学文学部卒業。椙山女学園大学人間関係学部教授
   学術博士、臨床心理士
   主要著書『カウンセリングの実際』(創元社、1975年)/『カウンセリングの実践』(誠心書房、1985年)
         『カウセリングはなぜ効くのか』(創元社、1995年)他多数


 感じること/知ること 心の深みを理解し治療的にかかわるために

  本書は、同じ人文書院から先に出版され、さいわい好評を得た『転移・逆転移―臨床の現場から』の続編である。転移、逆転移という言葉が精神分析に発しているのに対して、共感は、ロジャーズが強調したこともあって、心理臨床家にもなじみの深いものである。解釈は精神分析学と縁の深いことばであるが、共感と不即不離の関係にある。大雑把に言って、共感はすぐれて感情的なプロセスであり、解釈は知的である。それだけ相反的なプロセスと考えられやすい。しかし感じるためには知らねばならない。よって立つ理論的枠組みがいちじるしく共感的能力を高める (逆に妨げる)場合が多いことは、臨床家のつとに気づいているところである。どういった場合に促進的、どういうとき妨害的になるのかは微妙である。しかし本書の著者たちは、いずれもすぐれた実践家と同時に理論家であるだけに、そこのとことを自らの経験に照らしてまさにユニークな見解を示している。同じ問題に試行錯誤をくり返しているはずの同行の方たちに、必ずや参考になるところ大であると、信じている。(まえがきより)


オーダー