書名:共感と解釈 続・臨床の現場から 著者:成田善弘・氏原 寛編 価格:3800円 |
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成田善弘 (なりたよしひろ) 氏原 寛 (うじはら ひろし) 感じること/知ること 心の深みを理解し治療的にかかわるために 本書は、同じ人文書院から先に出版され、さいわい好評を得た『転移・逆転移―臨床の現場から』の続編である。転移、逆転移という言葉が精神分析に発しているのに対して、共感は、ロジャーズが強調したこともあって、心理臨床家にもなじみの深いものである。解釈は精神分析学と縁の深いことばであるが、共感と不即不離の関係にある。大雑把に言って、共感はすぐれて感情的なプロセスであり、解釈は知的である。それだけ相反的なプロセスと考えられやすい。しかし感じるためには知らねばならない。よって立つ理論的枠組みがいちじるしく共感的能力を高める (逆に妨げる)場合が多いことは、臨床家のつとに気づいているところである。どういった場合に促進的、どういうとき妨害的になるのかは微妙である。しかし本書の著者たちは、いずれもすぐれた実践家と同時に理論家であるだけに、そこのとことを自らの経験に照らしてまさにユニークな見解を示している。同じ問題に試行錯誤をくり返しているはずの同行の方たちに、必ずや参考になるところ大であると、信じている。(まえがきより) |