書名:埋葬と亡霊 トラウマ概念の再考 編者:森 茂起 定価:2625円
(本体価格2500円+税125円) |
目次 |
まえがき 『モーセと一神教』は二十一世紀の世界に何を伝えているのか?――集団のトラウマという発見 下河辺美知子/歴史とトラウマと解離 白河美也子/<靖国>をめぐる感情の問題 高橋哲哉/児童虐待によるトラウマと世代間連鎖 棚瀬一代/戦争と平和のについての観察 中井久夫/心的外傷の行方――病理的組織化と次世代への負債 福本 修/反復――プラス一 港道 隆/攻撃者への同一化とトラウマの連鎖 森 茂起 甲南大学人間科学研究所 第五回公開シンポジウム トラウマ概念の再吟味――埋葬と亡霊―― パネルディスカッション/執筆者一覧 |
編者・内容紹介 |
森 茂起 もり しげゆき
1955年生。京都大学教育学部大学院博士課程修了。博士(教育学)。現在、甲南大学人間科学科教授。
主著:『トラウマ映画の心理学』(共著、新水社)、『トラウマの表象と主体』(編著、新曜社)、『トラウマの発見』(講談社)他。
訳書:エイヴンス『想像力の新淵へ』(新曜社)、フェレンツィ『臨床日記』(みすず書房)、N&J・シミトン『ビオン臨床入門』(金剛出版)他。
かつて埋葬されながらくりかえし甦り、われわれの生を決定するトラウマを
個人的、社会的現象から多層的に把捉する
「トラウマ」という言葉は今、現代を読み解くためのキーワードの一つになっている。数々の突発的な事件、事故、災害を思えば、人間の生は「トラウマ的事象」に満ちているのである。トラウマとは何か。トラウマ研究の最前線を精神医学、心理臨床、哲学etc.のアプローチによる問いかけ。棚瀬一代「児童虐待によるトラウマと世代間連鎖」、森 茂起「攻撃者への同一化とトラウマの連鎖」、中井久夫「戦争と平和にかんする観察」、高橋哲哉「靖国をめぐる感情の問題」など8編。<心の危機と臨床の知>第1巻〜第4巻は新曜社から刊行中。