〈語る〉蓮如と
   〈語られた〉蓮如

戦国期真宗の信仰世界

稲城正己(旧姓:藤原正己)著

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A5判 上製 346頁  本体価格3200円 
                    ISBN4-409-41070-9(専門/仏教)

≪目次≫
プロローグ
序章 中世仏教のテクスト・理論・実践 
蓮如論の再構築をめざして/第一章 中世真宗のコスモロジーと蓮如の言葉
『蓮如上人一語記』と<非所有>の論理/第二章 <始まり>としての蓮如  蓮如の言説と蓮如の神話化/第三章 『御文』はどのように読まれたのか  中世社会におけるコミュニケーション/第四章 戦国期真宗寺院の歴史叙述と神話(1)  『本福寺由来記』と『本福時明宗跡書』/第五章 戦国期真宗寺院の歴史叙述と神話(2)  『本福寺跡書』をめぐって/終章 戦国期真宗の儀礼とテクスト 「恵信尼書状」から『山科御坊事并其の時代事』
エピローグ

≪著者、内容紹介≫

稲城正己 いなぎ まさみ

1947年広島県生まれ。立命館大学経済学部卒業。大谷大学大学院博士後期課程単位修得満期退学。専攻は日本宗教史。現在、相愛大学・仏教大学など非常勤講師。博士(文学)。
主要論文:「王宮と山巌―空海をめぐる都市と山林」(『南都仏教』58号)、「摂関期における都市・自然・仏教―『栄花物語』の言説より」(『仏教史学研究』36巻1号)他多数。
訳書:ヘルマン・オームス『宗教研究とイデオロギー分析』(ぺりかん社・共訳)

               ★  ☆  ★  ☆  ★

蓮如は親鸞を開祖とする本願寺教団の第八祖であり、戦国時代の一向一揆の指導者として浄土真宗を大教団へと成長させた宗教家である。ところが、日本の仏教界、学界は、親鸞を重視する割には、蓮如は独創性を欠くとして軽視してきた。本書で著者は、親鸞中心の日本仏教の思想と歴史に異議を申し立て、蓮如の『御文』や法語をもとにした仏教史を構築する(語る蓮如)。あわせて、弟子たちや一般信者が蓮如のテキストをどのように読み受容したか(語られた蓮如)を解読する。海外の歴史学、宗教史、思想史の文献を渉猟し、テキスト分析という方法で、現在の閉塞した研究状況を大胆に打開する試み。

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