書名:フランス植民地主義の歴史 奴隷制廃止から植民地帝国の崩壊まで 著者:平野千果子 価格:2800円 |
目次 |
序・なぜフランスの植民地か:ワールド・カップの優勝チーム/歴史的事件を祝う/奴隷制と植民地/「オリエンタリズム」から思うこと/植民地の歴史から等身大のフランスへ/二つの植民地帝国
第一章 奴隷制廃止と「文明化」 第二章 カリブ海からアルジェリアへ――イスマイル・ユルバンを通して 第三章 帝国主義の時代 第四章 「危機の二〇年」の諸相 終章「オクシデンタリズム」を問う あとがき/注/関連年表/主要参考文献 |
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平野千果子 ひらの ちかこ 1848年の奴隷制度廃止は、その後のフランス帝国の植民地拡大への出発点でもあった。植民地化は後進国の「文明化」であって善であり、奴隷制は「文明の恥」=悪であった。以後フランスは、この論理に立って、アルジェリア、西アフリカ、インドシナ、カリブ海諸島の近代的な経営に乗り出していく。フランスのこのような植民地観 は、第二次大戦後の、アルジェリアとベトナム独立戦争に直面して動揺するが、払拭されることはなかった。フランス植民地主義は、ポストコロニアルの現代世界に深刻な影を投げている。本書は、従来イギリスの植民地主義の後ろにあって目立たなかった、フランスの植民地主義の全体像をはじめて捉え、オリエンタリズムの本質が具体的に明らかにされる。文章は読みやすく、図版も豊富。 |