書名:虚構のナチズム 「第三帝国」と表現文化 著者: 池田浩士 定価:4095円
(価格3900円+税195円) |
目次 |
序章 ナチズムの現在:あの時代は良かった……/過去とは過ぎ去ったこと……/実感の現実性をめぐって/現在という立脚点
第一部 ドイツの受難と英霊神話の創生 第二部 文化政策の夢と悪夢 第三部 主体の表現、参加の文化 註/あとがき/文献・資料リスト/人名索引 |
著者・内容紹介 |
池田 浩士 いけだ ひろし
1940年6月大津市生まれ。慶応大学大学院博士課程修了。1968年4月から2004年3月まで京都大学教授。 2004年4月から京都精華大学勤務。
主著:『ルカーチとこの時代』(平凡社、1975年)、『ファシズムと文学』(白水社、1978年)、『教養小説の崩壊』(現代書館、11979年)、『抵抗者たち』(TBSブリタニカ、1980年/新版=軌跡社、1990年)、『大衆小説の世界と反世界』(現代書館、1983年)、『文化の顔をした天皇制』(社会評論社、1986年/増補版=2004年)、『死刑の〔昭和〕史』(インパクト出版会、1992年)、『〔海外進出文学〕論・序説』(インパクト出版会、1997年)、『火野葦平論――〔海外進出文学〕論・第1部』(インパクト出版会、2000年)、『歴史の中の文学・芸術』(河合文化教育研究所、2003年)、『池田浩士コレクション』インパクト出版会、刊行中)
主編訳書:『ルカーチ初期著作集』全4巻(三一書房、1975-76年)、『ドイツ・ナチズム文学集』(柏書房、刊行中)
主訳書:エルンスト・フィッシャー『回想と反省』(人文書院、1972年、品切)、エルンスト・ブロッホ『この時代の遺産』(三一書房、1982年/「ちくま学芸文庫」版、1994年)
あの熱狂はなぜ生まれたのか。第三帝国の根源に光を当てる
文学、演劇、映画、放送など表現に関わる多様な分野で、ナチスはドイツ民衆の意思と感情を動員することに成功した、この秘密はどこにあったのか。著者は、ワイマール時代からナチス時代にかけての あらゆるジャンルの表現文化を綿密に分析し、あの時代の現場の感性を追体験しながら、ナチス=悪、その文学も劣るといった図式では解けないその熱狂を生み出す秘密について論及する。表現の力とは何か、 そして虚構と現実の現場に踏み込みながら、ファシズム・ナチズムに対抗する全体としての思想を追求した、著者畢生の書き下ろし。