書名:
キャロライン王妃事件――<虐げられたイギリス王妃>の生涯をとらえ直す

著者: 古賀秀男

定価:4095円 (本体価格3900円+税195円)
サイズ:A5判上製 
352ページ 刊行日2006年3月 
ISBN4-409-51055-X(専門書/イギリス史)

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目次

はじめに

第一章 ジョージとキャロラインの生い立ち1皇太子ジョージ…出生とその環境/多感な皇太子と改革派フォックス、そして女性たち/フィッツハーバート夫人――ジョージの「最愛の妻」/2キャロライン妃の生い立ちブラウンシュヴァイク/キャロラインに対する評価  

第二章 不幸な結婚――皇太子ジョージと従妹キャロライン 1二人の初対面と婚礼2従妹との婚約3縁結びの使節マームズベリの記録/4新婚生活とその綻び

第三章 失せていく夢――カールトン・ハウスからブラック・ヒースへ1不在の夫――カールトン・ハウス/2チャールトンとモンターギュ・ハウス/3キャロラインと娘シャーロット

第四章 慎重な調査――「虐げられた」王妃の第一幕1ケント公の報告とダグラス夫人の告発/2慎重な調査―― 「陰謀の劇場」/3政治家パーシヴァルの協力/4摂政時代に入る――ジョージの「最愛の妻」去る/5キャロライン妃とホイッグ

第五章 薄命の皇女シャーロット――その結婚と夭折:1シャーロットの急逝/2シャーロットの青春とキャロライン/3シャーロットの縁談と結婚――オラニエ公嗣子とレーオポルド/4二つの追悼――不況下の民衆運動とその犠牲者/5シャーロットの追憶 

第六章 キャロライン妃の出国と大陸旅行:1なぜ大陸へ/2大陸旅行と従者たち――ブラウンシュヴァイクからイタリアへ/3地中海からエーゲ海へ――チュニス、アテネ、イェルサレム/4追跡する密偵――オムプテーダ男爵外相カースルリーの指示/オムプテーダの暗躍 

第七章 ミラノ委員会――「虐げられた」王妃の焦点1ミラノ委員会とこれまでの評価/2シャーロット妃の急逝と委員会の発足/3キャロライン妃に背いた証人たち/4キャロライン妃の去就――帰国の途へ/5帰国の旅へ/ 小 結

第八章 王妃キャロラインの帰国:1王妃を迎える国民・民衆/2慌てる国王と首相リヴァプール、そして貴族院   /3王妃を励ます国民・民衆・世論

第九章 王妃を裁く貴族院:/1キャロライン王妃事件の頂点――貴族院の王妃「裁判」/2王妃「裁判」/3国王側の証人と証言/4王妃弁護側の証人と証言/5「裁判』の結末と政治家、興奮した世論

第十章 国王の戴冠、王妃の葬送とロンドンの民衆1王妃フィーヴァーとその後/2国王の戴冠式/3棺に戴冠した王妃とロンドンの民衆

終 章 キャロライン王妃事件をどうとらえるか:/1この事件のもつ意味/2王妃事件についての新たな視点の展開/3この事件の評価と遺した遺産

 註/あとがき/参考文献/図版一覧/索引


著者・内容紹介

古賀 秀男 こが・ひでお1933年、京城に生まれ(福岡県出身)。九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得満了。山口大学教授を経て、1997年より京都女子大学教授(20063月、退職)。文学博士。
著 書:『チャーティスト運動の構造』(ミネルヴァ書房、
1994年)、『チャーティスト運動』(教育社、1980年)、『現代人の西洋史』(共編、法律文化社、1979年)、『チャーティスト運動の研究』(ミネルヴァ書房、1975
訳 書:ドロシー・トムプスン『階級・ジェンダー・ネイション チャーティズムとアウトサイダー』(共訳、ミネルヴァ書房、
2001年)、G・D・H・コール『チャーティストたちの肖像』(共訳、法政大学出版局、1994年)、ドロシィ・トムスン『チャーティスト 産業革命期の民衆政治運動』(共訳、日本評論社、1988年)、ジョージ・リューデ『イデオロギーと民衆抗議 近代民衆運動の歩み』(共訳、法律文化社、1984年)ジョージ・リューデ『歴史における群集 英仏民衆運動史17301848年』(共訳、法律文化社、1982年)


激動の時代、波乱にみちた生涯を送ったイギリス王妃をめぐる日本初の本格的研究

1819世紀の大英帝国に吹き荒れた熱狂的スキャンダルと、その主人公イギリス王妃キャロライン(1768-1821)の波乱にみちた生涯を、多くの人間関係から描き出し、丹念にたどる国内初の本格的研究書。不幸な結婚、夫ジョージ4世との不和、出国、長い旅と帰国、陰謀渦巻くスキャンダルによる裁判、あらゆる階層を巻き込んだ国家規模での熱狂…。長年にわたり、産業革命期の民衆政治運動研究に携わる著者による労作。


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