はじめに 序章 忍の一文字――百万石の外様大名――
1 初代前田藩主・利家:悲劇の武将/出生の謎/歌舞伎者・利家
2 信長と利家:槍が助けた信長との確執/四男の家督相続
3 秀吉と利家:親友・秀吉/ライバル秀吉/先を越された本能寺の変/秀吉と勝家の板ばさみ/聚楽第と京都屋敷
4 秀頼と利家:秀頼・秀次の娘の仲人/秀頼のもり役/利家隠居/秀頼の後見人
5 家康と利家:家康暗殺計画/利長の忍耐
6 家康と利長:利家の死/謀反の嫌疑とまつ/関ヶ原の戦い/利長の苦心
7 徳川幕府と利常:利家の四男/家康の猜疑/再び謀反の嫌疑
8 後水尾院と利常:利常の胸中/鼻毛・金玉大名/苦渋をなめた後水尾院/類似した人生/後水尾院の反骨/反骨の絆/寛永文化サロンのパトロン/加賀と金箔/加賀友禅/百万石文化の国際性
第一章 茶の湯――高山右近とキリスト教――
1 キリシタン大名・高山右近:生い立ち/清の病い/利家の保護/金沢城造営/右近の海外追放
2 加賀百万石とキリシタン:前田家とキリシタン/右近の教会建設/金沢・能登の教会
3 茶道とキリシタン:南蛮坊主/茶室と聖堂/茶道とミサ/国際港・堺と茶道/秀吉と西欧文化/利休とキリシタン(蒲生氏郷・瀬田掃部・牧村兵部・細川三斎・織田有楽・黒田如水・古田織部)/宣教師の布教方針と茶道/南蛮屏風の中の茶の湯/宣教師の見た「茶の湯」
第二章 庭園――兼六園と桂離宮――
1 小堀遠州と前田家:アートプロデューサー遠州/遠州の生い立ち/金沢城本丸茶室/兼六園/辰巳用水の謎/兵四郎=賢庭説
2 日本のレオナルド・ダヴィンチ:西欧技術を学んだ男/同時代のヨーロッパ庭園/日本への影響/遠州作の宮廷庭園(寛永度仙洞御所・寛永度内裏・女院御所・明正院御所)/宮廷付工人
3 桂離宮の作者:定説への疑問/パースペクティヴ/ヴィスタ(見通し線)/黄金比(黄金分割)/幾何学的配置/作者は遠州か/従来の遠州説/定説の根拠/反論/よき約束/その他の可能性
4 その他の遠州作品:江戸城二の丸庭園/南禅寺方丈庭園/大徳寺孤蓬庵/西欧好みの遠州
第三章 陶芸――古九谷とデルフト
1 古九谷の謎:いつどうやって造られたのか/古九谷発祥に関する史料/謎の後藤才次郎/古伊万里・古九谷同一説/伊万里焼とは/古九谷窯跡発掘/伊万里素地使用説
2 加賀藩と西欧陶芸:長崎御買物師/高嶋屋の活躍/デルフト発注/古九谷への影響
3 伊万里・古九谷とアールヌーヴォー:ヨーロッパの中国ブーム/ヨーロッパを魅了する/西欧芸術をリードする/アールヌーヴォーへの影響
第四章 漆芸――象嵌と蒔絵
1 漆芸とは:象嵌・蒔絵の技術/輪島塗
2 蒔絵:幸阿弥家と五十嵐家/五十嵐道甫/道甫の作品
3 前田藩細工所:工芸の基礎研究/「百工比照」/「百工比照」のルーツ/「百工比照」への西洋文様の影響
4 象嵌:後藤家の重用/加賀象嵌/京文化の影響
5 漆芸と国際交流:漆=ジャパン/南蛮漆芸と紅毛漆芸/反骨としての国際交流
終章 綺麗という美意識
1 「きれい」とは:美しいときれい/きれい発生の謎
2 八条宮家とキリシタン:智仁・智忠親王/八条宮の関係者/曼殊院
3 修学院離宮:西欧好みの後水尾院/西欧手法
4 寛永サロン文化と西欧:綺麗座敷/ルネサンス・バロックの美「きれい」/虚構としての「西欧」
おわりに 参考文献
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