[叢書 文化研究1]

民族誌的近代への介入


文化を語る権利は誰にあるのか

太田好信 著

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四六判 上製 286ページ 本体価格2300円
      ISBN4-409-53023-2 (人類学・カルチュラル・スタディーズ/専門・教養)

≪目次≫
序章
T 人類学とカルチュラル・スタディーズ
文化を語る権利は誰にあるのか/カルチュラル・スタディーズ
U 人類学と民族誌的近代
ポストコロニアル批判を越えるために/言説としての人類学
V 人類学とモダニズム
同時間的モダニズム/沖縄モダニズム
W サバルタンと人類学のアンメイキング―グアテラマで考えたこと
未来から語りかける言語/人類学とサバルタンの主体的関与

註/あとがき/引用文献/主要事項索引/主要人物名索引

≪著者、内容紹介≫

太田好信 おおた よしのぶ

1954年札幌市生。1979年ノースウエスタン大学大学院人類学修士課程修了(M.A.取得)、1987年ミシガン大学大学院人類学博士課程修了(Ph.D.取得)。米国インディアナ州アーラム大学、北海道大学を経て現在九州大学比較社会文化研究院助教授。専門は文化人類学。主な調査地は沖縄とグアテマラ共和国。
主著:『トランスポジションの思想――文化人類学の再想像』(世界思想社、1998)、『岩波講座文化人類学 第12巻 思想化される周辺世界』(共著、岩波書店、1996)など。

               ★  ☆  ★  ☆  ★

ポストモダン思想の流行の後、いま思想界は混迷をきわめている。他者表象やアイデンティティ・ポリティクス(階級、ジェンダー、人種、エスニシティなど)から、歴史(記憶、声、修正主義など)、さらには政治や倫理(マルクス主義、国民国家論、グローバリゼーションなど)まで、思想の枠組が模索されている。そこに、自由主義史観の暴力的な台頭に象徴される左右のイデオロギーの熾烈な対立が加わる。そんななか、権力の問題とともに、「文化」という言葉がその批判力から再び重要になっている。本叢書は現代を読み解く思想のフレームを「文化批評」として定め、カルチュラル・スタディーズ、ポストコロニアル批評、人類学、歴史学等々、分野を横断して提示していくもの。クリフォードの用語「民族史誌近代」をキーワードにした本書は、そうした時代認識をマニフェストする叢書第一弾。著者は九州大学大学院助教授、わが国のポストモダン人類学の旗手。『トランスポジジョンの思想』(世界思想社、現在3刷)のほか『現代思想』などへの寄稿多数。

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