書名:
熱帯アジアの森の民
        資源利用の環境人類学

者:池谷和信 

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判上製 
320ページ 刊行日2005年6月 
ISBN4-409-53033-X (専門書/人類学)

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目次

序論 森の民へのまなざしと実像―― 環境、開発、先住民運動   谷和信 

第一部 森の民の捉え方
森と川の民の交流考古学 ――先史狩猟採集社会と農耕社会との相互関係  小川英文/現代の狩猟採集民  ――政治生態学の視点から  口蔵幸雄/交易と分配 ――狩猟採集民の社会人類学   シラ・ダロス/永田脩一

第二部 変わりつつある森の民
変貌する森林と野鶏 ――中国雲南省・ラオスの少数民族   秋道智彌/焼畑から常畑へ――タイ北部の山地民  増野高司/カースト社会の「森の民」――マガール人の森林利用と鍛冶師カーストとの関係  南 真木

第三部 森の民のかかえる新たな問題
森を再利用する人びと ――オラン・アスリ社会のドリアン収穫をめぐって   信田敏宏/自然保護区のなかで暮らす人びと――南インドのカダール社会  カンマニ・カンダスワミィ/サラワクの森林伐採と先住民プナンの現在  金沢謙太郎


編者・内容紹介

池谷 和信  いけや かずのぶ
1958年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。国立民族学博物館民族社会研究部助教授。総合研究大学院大学先導科学研究科助教授(併任)。環境人類学、人文地理学。
著書:『国家のなかでの狩猟採集民』(千里文化財団、2002)、『山菜採りの社会誌』(東北大学出版会、2003)、『地球環境問題の人類学』(編著、世界思想社、2003)ほか。


現代的矛盾の中で生きる熱帯アジアの森とその民の変容とその将来を展望する

グローバリゼーションと地球環境保護の考え方によって、それぞれ資源としての価値を見出された、熱帯アジアの豊かな森林は、かつてのように住民だけのものではなくなった。本書では、そのような状況で、従来、自然との共生を謳われ、また外界と隔絶し独自の文化を形成しているとされてきた「森の民」の、真の姿を捉えるとともに、その変容と、将来の展望を描く。インド、中国、マレーシアを含む熱帯アジアは、日本にとって材木輸入などで関連が深く、重要な地域である。


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