書名:日本の食と酒(中世末の発酵技術を中心に) 著者:吉田 元 サイズ:四六判上製 260ページ 本体価格2200円 |
《目次》 第一章 中世の食物売りたち:歌合 狂言 供御人と食物/第二章 十五世紀公卿の食生活―『教言卿記』、『山科家礼記』、『言国卿記』―:名字の地山科 教言の晩年 応仁の乱 若き日の言国 供御人たち 惨劇 鞍馬参詣 食物の分類、貯蔵、調理法/第三章 十六世紀公卿の食生活―『言継卿記』、『言経卿記』―:『言継卿記』 言継の食生活 尾張下向 大洪水 子供たちの病気 駿府下向 東寺五重塔の焼失 信長の上洛と岐阜下向 『言経卿記』と言継の死 本能寺の変 京都追放 再び京都へ 東寺五重塔の再建 京都大地震 勅免 言経の食生活 『雍州府誌』と京都の食物/第四章 奈良興福寺の食生活―『多聞院日記』―:はじめに 食物の種類 天災と飢饉 多聞院の献立 料理の内容とそのほかの食品 肉食・悪食/第五章 中世酒から近世酒へ:日本酒の製造法 京都の酒 僧坊酒 田舎酒とその他の酒/第六章 火入れの発展:はじめに 日本における火入れの成立 火入れの温度について 東アジア諸国のおける加熱殺菌法 日本の火入れの限界/第七章 大豆発酵食品:醤油と味噌の製造法 室町時代以後の大豆発酵食品 多聞院の大豆発酵食品 『料理物語』の醤油 ケンペル、ツュンペリーの見た醤油 『和漢三才図会』の大豆発酵食品 あとがき/参考文献/索引 |
《内容》 日本人の食生活の基本的な形が出来上がったとみられる中世末の食生活と発酵技術の実態を、公家であった京都の山科家の日記や、奈良興福寺の『多聞院日記』を自在に繙き、歴史の世界に遊びつつ、科学技術史の立場から説き明かそうとする極めて意欲的な研究。 |