書名:柳田国男とその弟子たち民俗学を学ぶマルクス主義者

著者:鶴見太郎

サイズ:四六判上製 256ページ 本体価格2300円
ISBN4-409-54056-4 (専門/民俗学)

《目次》
はじめに
第一章  戦時下に於ける民俗学研究の組織化 ―橋浦泰雄と「民間伝承の会」―
第二章  転向期の弟子たち ―大間知篤三―
第三章  戦時下の郷土とマルクス主義者(T) ―中野重治 郷土と記述を結ぶもの―
第四章  戦時下の郷土とマルクス主義者(U) 一九四二年夏 福本和夫の故郷再訪―
第五章  戦後に於ける対峙 ―石田英一郎からの問いかけ―
結び
注 あとがき 人名索引 

《内容》
これまでの柳田民俗学とマルクス主義の関係は、柳田民俗学が1930年代、弾圧下に置かれたマルクス主義者に対してアジールの場を提供したことに重点が置かれてきた。しかし、方法上の価値観を異にする二つの研究が対立しつつ作用する場を明らかにし、それを保ってきたことに対してより大きな意義を認めたい。人間の生活とその背後に横たわる心性を理解する上で互いに相異なる思考の対峙する場が、大正期から戦争を経て戦後に確保されたところに、柳田民俗学とマルクス主義の交流が生んだひとつの成果を読み取ることができるのではないか。(本書「結び」より)

鶴見太郎 1965年京都で生まれる。京都大学大学院博士後期課程(現代史)終了
          日本学術振興特別研究員を経て、現在京都文教大学助手。博士(文学)。
          専攻は日本近現代史

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