書名:魔術の歴史

著者:エリファス・レヴィ
訳者:鈴木啓司

定価:7140円 (本体価格6800円+税340円)
サイズ:A5判上製 
640ページ 初版刊行日1998年初版 
ISBN
978-4-409-03049-3 (神秘思想)

目次

序章

第一之書 魔術の起源

 第一章 伝説上の起源
 第二章 道士(マギ)たちの魔術
 第三章 インドにおける魔術
 第四章 ヘルメスの魔術
 第五章 ギリシャにおける魔術
 第六章 ピュタゴラスの数秘術
 第七章 聖なるカバラ

第二之書 教理の形成と実現

 第一章 黎明期の象徴表現
 第二章 神秘主義
 第三章 秘儀参入と試練
 第四章 民衆の信仰に見られる魔術
 第五章 処女性の神秘
 第六章 迷信
 第七章 魔術の建造物

第三之書 キリスト教の啓示による魔術の総合と聖なる実現

 第一章 ユダヤ人により魔術の罪で告発されたキリスト
 第二章 魔術によるキリスト教の真理
 第三章 悪魔について
 第四章 最後の異教徒について
 第五章 伝説
 第六章 カバラ的絵図と聖なる表徴
 第七章 アレクサンドリア学派の哲学者たち

第四之書 魔術と文明

 第一章 未開人における魔術
 第二章 女性たちの影響
 第三章 妖術師に対するサリカ法典
 第四章 カルル大帝治下の諸伝説
 第五章 魔術師たち
 第六章 有名な裁判
 第七章 悪魔に関する迷信

第五之書 秘儀精通者と聖職者

 第一章 魔術の罪に問われた司祭と教皇
 第二章 放浪者ジプシーの出現
 第三章 ライムンドゥス・ルルスの伝説と物語
 第四章 錬金術師たち
 第五章 有名な妖術師と魔術師
 第六章 魔術裁判
 第七章 メーソンの魔術的起源

第六之書 魔術と革命

 第一章 十八世紀の注目すべき著作家たち
 第二章 十八世紀の驚くべき人物たち
 第三章 カゾットの預言
 第四章 フランス革命
 第五章 霊媒狂現象
 第六章 ドイツのイリュミナリティ
 第七章 帝政と王政復古

第七之書 十九世紀における魔術

 第一章 神秘主義催眠術師と物質主義的催眠術師
 第二章 幻覚
 第三章 催眠術師と被催眠者
 第四章 魔術における幻想作家
 第五章 著者の身近な思い出
 第六章 隠秘学について
 第七章 要約と結論

訳注
訳者あとがき
主要事項索引
主要人名索引


著者・訳者紹介

エリファス・レヴィ (Eliphas Levi) 1810‐75
フランスの神秘思想家。本名A.L.コンスタン(Alphonse Louis Constant)。西欧に伝わる魔術の基本、カバラ研究の権威であり、同時にまた実践者として〈魔道中興の祖〉と称される。パリで生まれ、はじめ聖職を志して神学校に学び、卒業後助祭の地位にまで進んだが、神秘主義、社会主義に接近してしだいに正統的カトリシズムから遠ざかり、1844年に出版した著書《神の母》は教会から異端の書として糾弾された。45年には、ボードレールの同名の詩への影響が指摘される〈コレスポンダンス〉を含む詩集《三つの調和》を刊行している。46年、還俗して結婚生活に入るが間もなく離婚。51年、長年取り組んできた《キリスト教文献事典》を中途で放棄して魔術研究に没入、同時にカバラへの帰依のしるしとして名前もヘブライ語化して、エリファス・レヴィと改める。《高等魔術の教理と祭儀》(1855−1856)に続いて、60年から65年にかけてその方面の研究成果を〈オカルト哲学叢書〉として次々と世に問い、代表的なものに《魔術の歴史》(1860)、《大いなる神秘の鍵》(1861)などがある。死の直前、教会と和解したとも言われるが、その魔術関係の諸著作が19世紀後半以降のヨーロッパ異端思想や文学に与えた影響は甚大で、ボードレール、ヴィリエ・ド・リラダン、マラルメ、ランボー、W.B.イェーツ、ブルトン、バタイユらにインスピレーションを与えたほか、現代の思想・文学・芸術・にまで大きな影を投じている。

鈴木啓司(すずき・けいじ)
名古屋学院大学教授。訳書に『オカルティズム辞典』(三交社、1998年)など。


内容紹介

レヴィ魔術三部作。魔術理念や神秘主義のみならず、人物や歴史的逸話を活き活きと綴る。多くの文学者に重大な影響を与えてきた黒い聖典の完訳。


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