書名:公共空間の政治理論
者:篠原雅武

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判上製 250
ページ 刊行日2007年8月 
ISBN978-4-409-04089-8 (社会学/現代都市論・社会理論)

目次

ま え が き
序 章 :第一節 公共空間とはなにか――問いの設定:1 公共空間とは何か  2 境界について  3 公共空間の危機/第二節 開けた閉域へ――公共空間のネオリベラル化 (1 アーレントの問いの現代的意義  2 自由化と公共空間の解体 3 グローバリゼーションと無摩擦空間  4 均質空間における一体化)

第一章 境界と分離:第一節 境界としての空間  第一項 ジンメルの空間論 (1 距離と理知  2 距離と投げやり)  第二項 セネットの空間論 (1 共同体と公共空間  2 純粋な共同体と境界領域の空白化  3 関わりの場としての外部)/第二節 分離という問題  第一項 空間の分離 (1 共同体から空間へ  2 分断と隙間)  第二項 アレグザンダーの分離批判  第三項 ルフェーブルの分離批判 (1 分離と不均等化  2 均等化と階層序列化  3 分離の過程で生じる隙間)

第二章 政治空間論――均質化と差異化:第一節 ルフェーブルの空間論  第一項 空間と政治 (1 空間は政治である  2 ポストモダン派の空間論  3 空間における政治的抗争  第二項 空間概念の概要と思考スタイル (1 過程と複数性  2 ルフェーブルの思考スタイル)/第二節 日常生活批判から空間の政治理論へ  第一項 日常生活批判 (1 日常生活批判における思考――過程的思考の始まり  2 日常生活批判の対象 3 日常生活の変容  4 拘束のパラドックス)  第二項 空間の占拠と直接民主主義 (1 運動と理論  2 空間の占拠  3 運動体としての直接民主主義)/第三節 空間概念の政治化  第一項 空間の変容――拘束の外部から抗争の拠点へ  第二項 空間の政治 (1 空間の均質化  2 中心性の変容  3 空間の差異化――中心性の奪還)

第三章 公共空間の政治:第一節 公共空間の開放と制限  第一項 現れの空間・境界・共通世界 (1 現れの空間としての公共空間  2 境界の二つの側面――開放と制限  3 無際限の拡張を制限する境界)  第二項 境界をめぐる二つの議論 (1 合意のための圏の制限  2 共同体のアイデンティティを護持する排他的境界)  第三項 政治的問題としての帝国主義――膨張政策と国民国家の崩壊 (1 『人間の条件』から『全体主義の起源』へ――帝国主義論の位置  2 資本輸出と膨張政策  3 権力の輸出と暴力の蓄積  4 国民国家の無力と限界――不完全な公共空間をこえて)/第二節 公共空間と排除空間   第一項 公共空間の危機――私有化される公共空間 (1 アーレントの境界的思考  2 境界の消滅  3 排除壁としての境界)  第二項 境界と停止――何も起こらない世界へ (1 ゲーテッドコミュニティの境界  2 境界画定と亢進する恐怖 3 危険の予防――責任放棄と危険の消去  4 耐え難いものに身をさらすこと  5 隙間とほころびの空間)

結 論 

あ と が き/参考文献


著者・内容紹介

篠原雅武 しのはら まさたけ 
1975年 神奈川県生まれ。1999年 京都大学総合人間学部卒業。2004年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。京都大学博士(人間・環境学),都市論・政治理論
論文 「アーレントのアクチュアリティ」,『社会思想史研究』,藤原書店,28号,2004年
    「純粋空間と群衆の多幸症」,『現代思想』,青土社,33巻5号,2005年
    「公共空間の開放と制限」,『人間・環境学』,京都大学人間・環境学研究科,14巻,2005年
    「何も起こらない世界――延命か中断か」,『VOL』,以文社,1号,2006年
    「非正規性と戦争――抑圧の彼方における日常生活のゆくえ」,『現代思想』,青土社,35巻8号,2007年,など


 

 


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