書名:公共空間の政治理論 著者:篠原雅武 定価:2520円
(本体価格2400円+税120円) |
目次 |
ま え が き
序 章 :第一節 公共空間とはなにか――問いの設定:1 公共空間とは何か 2 境界について
3 公共空間の危機/第二節 開けた閉域へ――公共空間のネオリベラル化 (1 アーレントの問いの現代的意義
2 自由化と公共空間の解体 3 グローバリゼーションと無摩擦空間 4 均質空間における一体化)
第一章 境界と分離:第一節 境界としての空間 第一項 ジンメルの空間論 (1 距離と理知
2 距離と投げやり) 第二項 セネットの空間論 (1 共同体と公共空間 2 純粋な共同体と境界領域の空白化 3 関わりの場としての外部)/第二節 分離という問題 第一項 空間の分離 (1 共同体から空間へ
2 分断と隙間) 第二項 アレグザンダーの分離批判 第三項 ルフェーブルの分離批判 (1 分離と不均等化 2 均等化と階層序列化
3 分離の過程で生じる隙間)
第二章 政治空間論――均質化と差異化:第一節 ルフェーブルの空間論 第一項 空間と政治 (1 空間は政治である
2 ポストモダン派の空間論 3 空間における政治的抗争 第二項 空間概念の概要と思考スタイル (1 過程と複数性 2 ルフェーブルの思考スタイル)/第二節 日常生活批判から空間の政治理論へ 第一項 日常生活批判 (1 日常生活批判における思考――過程的思考の始まり
2 日常生活批判の対象 3 日常生活の変容 4 拘束のパラドックス) 第二項 空間の占拠と直接民主主義 (1 運動と理論
2 空間の占拠 3 運動体としての直接民主主義)/第三節 空間概念の政治化 第一項 空間の変容――拘束の外部から抗争の拠点へ 第二項 空間の政治 (1 空間の均質化
2 中心性の変容 3 空間の差異化――中心性の奪還)
第三章 公共空間の政治:第一節 公共空間の開放と制限 第一項 現れの空間・境界・共通世界 (1 現れの空間としての公共空間
2 境界の二つの側面――開放と制限 3 無際限の拡張を制限する境界) 第二項 境界をめぐる二つの議論 (1 合意のための圏の制限
2 共同体のアイデンティティを護持する排他的境界) 第三項 政治的問題としての帝国主義――膨張政策と国民国家の崩壊 (1 『人間の条件』から『全体主義の起源』へ――帝国主義論の位置
2 資本輸出と膨張政策 3 権力の輸出と暴力の蓄積 4 国民国家の無力と限界――不完全な公共空間をこえて)/第二節 公共空間と排除空間 第一項 公共空間の危機――私有化される公共空間 (1 アーレントの境界的思考
2 境界の消滅 3 排除壁としての境界) 第二項 境界と停止――何も起こらない世界へ (1 ゲーテッドコミュニティの境界
2 境界画定と亢進する恐怖 3 危険の予防――責任放棄と危険の消去 4 耐え難いものに身をさらすこと 5 隙間とほころびの空間)
結 論
あ と が き/参考文献
著者・内容紹介 |
篠原雅武 しのはら まさたけ
1975年 神奈川県生まれ。1999年 京都大学総合人間学部卒業。2004年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。京都大学博士(人間・環境学),都市論・政治理論
論文 「アーレントのアクチュアリティ」,『社会思想史研究』,藤原書店,28号,2004年
「純粋空間と群衆の多幸症」,『現代思想』,青土社,33巻5号,2005年
「公共空間の開放と制限」,『人間・環境学』,京都大学人間・環境学研究科,14巻,2005年
「何も起こらない世界――延命か中断か」,『VOL』,以文社,1号,2006年
「非正規性と戦争――抑圧の彼方における日常生活のゆくえ」,『現代思想』,青土社,35巻8号,2007年,など