書名:日本回帰・再論―近代への問い、あるいはナショナルな表象をめぐる闘争―

者:西川長夫

定価:2940円 (本体価格2800円+税140円)
サイズ:四六判上製 315
ページ 刊行日2008年7月 
ISBN978-4-409-04093-5 (思想/現代思想)

目次

1 欧化と回帰 ―日本という表象をめぐって―

2 欧化と日本回帰・再論 ―「戦争」と「戦後」を改めて考える―

3 日本におけるフランス ―マチネ・ポエティック論―

4 旅の思想 ―森有正における「日本回帰」について―

5 河上肇の『自叙伝』 ―河上肇における「没落」と「文学」―

6 日本回帰とネオナショナリズム ―支配のイデオロギー―

7 江藤淳における「戦後」と「日本回帰」 ―無条件降伏論争をめぐって―

8 三島由紀夫における日本回帰


者・内容紹介

「国民国家論」を提起した著者の思想的総括の書

日本回帰とは何か。それは日本人と日本の思想の宿命なのか。この日本的特性の謎を解くべく、著者は近代日本でほぼ30年ごとに繰り返す欧化主義と国粋主義の特異なサイクルを分析する。同時に、1930年代以後の日本回帰の頂点を占める「近代の超克」論議や、西欧を理想化することで戦争に対峙したが、日本の現実から遊離した「マティネ・ポエティク」の意味、「西欧」を熱烈に求めながら最後には日本に回帰した森有正と河上肇の思想、戦後の保守主義をリードした江藤淳・三島由紀夫らの鋭角的な「日本回帰」等々について論じる。


西川 長夫(にしかわ・ながお)/1934年生まれ。立命館大学先端総合学術研究所教授。専門は比較文化論、フランス研究。著書に『国境の越え方 - 比較文化論序説』(筑摩書房、1992)』、『〈新〉植民地主義論―グローバル化時代の植民地主義を問う』(平凡社、2006年)など


 

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