書名:線が顔になるとき―バンドデシネとグラフィックアート―

者:ティエリ・グルンステン
訳者:古永真一

定価:3360円 (本体価格3200円+税160円)
サイズ:A5判並製 245
ページ 刊行日2008年8月 
ISBN978-4-409-10025-7 (美術/美術批評)

目次

序章

第一章 人の顔を描く   個と種/モデルにもとづいた肖像画とオリジナルの肖像画/性格(キャラクター)と戯画(カリカチュア)/類似性のパラドックス

第二章 役柄にふさわしい顔   マンガと観相学/類型化と解読/他人になりすまして自分を描く/「カワイイ」――最新型の幼形成熟(ネオテニー)

第三章 情念の表現   恒常的(パーマネント)ではないものを表す記号/表情の豊かさを表すコードと解釈/テプフェールの法則/表現の限度と補助 /過度あるいは不十分/「存在感」の問題/おもしろい顔とは?/人の姿に似せること

第四章 クローズアップの活用   クローズアップの攻撃性/クローズアップの歴史/なぜ接近するのか?

第五章 図像遊戯   生命の表現/不気味なるもの/醜女と愚者/顔が消えるとき

略伝
訳者あとがき

参考文献
図版一覧

 


著者・者・内容紹介

ティエリ・グルンステン(Thierry Groensteen)

1957年ベルギー生まれ。『バンドデシネのシステム』で博士号取得(トゥールーズ第二大学)。『カイエ・ドゥ・ラ・バンドデシネ』誌やバンドデシネの専門誌『九番目の芸術』の編集に携わり、CNBDI(国立マンガ・映像センター)のディレクターを務めた。『タンタンの笑い』、『未確認文化物体』、『バンドデシネ使用法』などマンガに関する著作も多く、各種イベントの企画、大学で教鞭をとるなど、精力的に活動している。

古永真一(ふるなが・しんいち)

1967年東京生まれ。『ジョルジュ・バタイユ、供犠のヴィジョン』で博士号を取得(早稲田大学)。現在、早稲田大学文学学術院非常勤講師。訳書にジョルジュ・バタイユ、『聖なる陰謀』(共著、ちくま学芸文庫)。マンガに関する論文は「バンドデシネ・アヴァンギャルド研究――マルタン・ヴォーン=ジェイムズの『檻』について」、「グラフィック・ノヴェル/バンドデシネ研究――エドモン・ボードワンの美学」(『Études françaises』誌)など。


マンガの「線」に、なぜ「顔」を感じるのか?

バンドデシネ(フランス語圏のマンガ)やアメリカン・コミックスから、ジャコメッティなどのファインアート、手塚治虫や北斎まで、マンガ、デッサンを題材とした「顔」の図像学。バルトやティスロン、アガンベン、ナンシーなど、現代文学や現代思想まで含めて総合的に論じている。ぜいたくに配した豊富な図版が魅力。巻末には、160名におよぶ作家の略伝を付し、欧米圏のマンガ世界を概観できる。


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