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書名:白夜に紡ぐ 著者:志村ふくみ |
目次 |
繭文
ものごころ/随縁/自由な魂/兄の死/織物への道/色に目覚める/日本の色――万葉の色/日本の色――古今・新古今・源氏物語の色
白夜に紡ぐ ドストイエフスキイ・ノート
サンクト・ペテルスブルグの街角で/虫喰いの頁/虐げられし人々/死の家の記録/罪と罰/白夜/ドストイエフスキイ・ノート
折々の記
松園と母/お茶は不思議な木/赤の秘密/白と赤 白と赤 雪の造形 熏習 花 大沢ノ池の御仏達 苧桶の水指 遊糸楽竿無上悦 小さい本 伊吹の刈安 聖餅箱とコアガラス茶入/老いの重荷/五月のウナ電/魂が鳴らす鐘/黙示録的収支/宇宙のはじまり――香り高き霊学
著者紹介 |
志村 ふくみ(しむら・ふくみ)/1924 年滋賀県生れ。1955年滋賀県近江八幡に住み、染織の研究をはじめる。1964年京都嵯峨に移り住む。1990年重要無形文化財保持者に認定。1993年文化功労者に選ばれる。著書に『一色一生』(求龍堂、1983年)、『語りかける花』(人文書院、1992年)、『母なる色(求龍堂、1999年)』『ちょう、はたり』(筑摩書房、2003年)ほか。
内容紹介 |
ロングセラー『一色一生』『語りかける花』のエッセイの名手による最新、珠玉の書き下ろし!
糸を紡ぎ、染め、織り……どうしたら自分の思うような織物が出来るのか。長の歳月、機の前で思い悩みながら絶えず心に問いかけてきた、色とは何か、日本の色とは?そしてその遥かな道程のなか、自分の魂を育んでくれたかずかずの書物や人々、とりわけ青春の日以来繰り返しひもといたドストイエフスキーの作中人物たち、その苦悩と哀しみへのますますの共感、白夜のごとき人生の暮れなずむ夜の涯で、
祈る気持ちでいとおしく、愛すべきものたちに想いを寄せる、仄かな光をことばに託した、「繭文」「白夜に紡ぐ──ドストイエフスキイ・ノート」「折々の記」の三部からなる書き下ろしエッセイ。