書名:南北アメリカの日系文化

者: 山本岩夫・ウェルズ恵子・赤木妙子

定価:2730円 (本体価格2600円+税130円)
サイズ:四六判並製 320
ページ 刊行日2007年3月 
ISBN978-4-409-23041-1 (専門書/社会・日系論)

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目次

はしがき  山本岩夫

T カナダ
隣組――その倫理観とカナダ日系社会の今後  山城健夫/世代間の絆「文化共有」――相互理解体験からのカナダ現代史  柴田祐子/アジア系カナダ音楽への道のり――瞬時のカルマ  テリー・ワタダ(山本彩訳)/コラム 日本語と英語の「シャル・ウイ・ダンス」  田中裕介

U 合衆国本土
賛仏歌から聖歌へ、盆踊りの歌へ――日系人の仏教信仰表現と歌  ウェルズ・恵子/食文化にみる日系アメリカ人  山本剛郎/日本語日系文学の推移と展望  野本一平/シカゴにみる日系文化活動/コラム 新一世の家庭教育  平井英夫

V ハワイ
ハワイ日系人の食文化――エスニック・フードからローカル・フードへ  篠田左多江/ハワイ日系人の記憶を求めて――民間仏教歌と精神的伝統  ウェルズ・恵子/ハワイ日系人の超自然信仰と迷信  デニス・M・オガワ(ウェルズ・恵子訳)/コラム 日本映画館にみる日系文化の変容――ハワイ島ホノカアの事例から  権藤千恵

W 南米各国
日系ペルー人家族の十五年の軌跡から――日本における生活・アイデンティティ・文化  柳田利夫/ペルー日系社会における「戦没者慰霊」行事――アイデンティティ形成と第二次世界大戦、そして移民史  赤木妙子/ブラジル、パラナ民族芸能祭にみる文化の伝承――日系コミュニティの将来とマツリ、そしてニッケイ・アイデンティティ  小嶋 茂/アルゼンチンの日本人移民の子孫――遍歴の中のアイデンティティ志向の可能性  比嘉マルセーロ/コラム ペルー日系社会の「運動会」(Undokay)――「奉祝」から「記念」へ  柳田利夫

あとがき  ウェルズ・恵子

執筆者略歴


著者・内容紹介

山本岩夫 やまもと いわお
1939年新潟県生まれ。立命館大学名誉教授。日系アメリカ人・カナダ人の文学・文学研究。

ウェルズ・恵子 うぇるず けいこ
1958年神奈川県生まれ。立命館大学文学部教授。アメリカ文学・文化・フォークロア研究。

赤木妙子 あかぎ たえこ
1967年神奈川県生まれ。目白大学人間社会学部地域社会学科助教授。中南米への日本人移民史を研究。


「日本人」を広い視野から見直す一冊。

日系といっても環境や時代によって立場や考えはさまざまである。戦前の移民とその子孫、日米戦争中の強制収用体験、戦後の新移民と日本人街の建設、最近の補償運動や短期滞在、日本へのUターン。本書は、日系をひとつの立場に限定せず、カナダ・合衆国・ハワイ・南米各国の日系人の歩いてきた困難な道と生きている文化の現在(食文化、労働、教育、宗教、社会・芸術活動・・)を、当事者と研究者が広く生き生きと描き出す。海外で活躍する日系人の現在にふれ、私たちは「日本人とは何か」の問いかけが広がり深まるのを実感する。


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