書名:精神分析と現実界――フロイト/ラカンの根本問題

者: 立木康介

定価:3360円 (本体価格3200円+税160円)
サイズ:A5判上製 242
ページ 刊行日2007年7月 
ISBN978-4-409-34035-6 (心理学/精神分析)

目次

はしがき

T シニフィアンの論理と対象a
第一章 精神分析の反メタ言語論――マホーニィ、ラカン、フロイト:1 マホーニィのフロイト読解と反メタ言語の原則/2 反メタ言語の論理/3 反メタ言語論の臨床的意義/第二章 V、f、a:1 パラダイム/2 フレーゲとともに/3 大他者の二重性/4 去勢/5 偽/6 主体の位置/第三章 欲望の対象と原因――ラカンの「カントとサド」:1 欲望の原因としての対象/2 カントのほうへ/3 サドとともに

U 決定論の彼岸
第四章 精神分析は偶然をどう考えるか:1 外的偶然/内的偶然/2 偶然と因果性/3 フロイトの病因論/4 症例エマ――外傷の反復/5 欲動――決定論の隙間に/6 偶然と主体性/第五章 夢と覚醒のあいだ――テュケーについて:1 寝覚めへの問い/2 非決定因/3 夢の彼岸

V 身体と欲動
第六章 精神分析的身体論の基礎――フロイトにおける二、三の問題圏:1 精神分析以前のヒステリー/2 ヒステリー症状における身体/3「身体側の歩み寄り」/4 欲動論のほうへ/5 生物学的身体とエロース的身体/6 エロース的身体の現実――部分と全体の関係について/第七章 死の欲動についてフロイトはなにを語ったか――タナトス問題系の構築に向けて:1 沈黙せる死の欲動、その経済論的アポリア/2 攻撃性の問題――愛にたいする憎しみの先存/3 道徳のタナトス的起源

W Et caetera
第八章 ロラン・バルトの見えない同性愛――「母の法」についての覚え書き:1 テクストと人/2 告白されざる同性愛/3 母への愛という神話/4同性愛と母の法/5 小説の計画と中絶/第九章 質料と偶然――アルチュセールからアリストテレスへのひとつの遡行:1 アルチュセールの「出会いの唯物論』によせて/2 アリストテレスにおける偶然の概念/3 偶然と目的、目的と質料/4 質料と偶然

あとがき


著者・内容紹介

立木康介 (ついき・こうすけ)
1968年,東京生まれ。1992年,京都大学文学士。1994年,京都大学教育学修士。1994〜1998年,パリ第8大学精神分析学科留学(1994〜1996年,フランス政府給費留学生)。1999年,京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程満期退学。同年8月より,同研究科助手。2001年,パリ第8大学精神分析学博士(Docteur en psychanalyse)。2007年4月より,京都大学人文科学研究所准教授
著書:『知の教科書 フロイト = ラカン』(共編著,講談社,2005年),『精神分析学を学ぶ人のために』(共著,世界思想社,2004年)など。


精神分析その起源への遡行

現実界、象徴界、シニフィアン、対象a、死の欲動…。フロイト/ラカン精神分析の基礎をなす諸問題の精密きわまる読解。『夢判断』から100年余り、精神分析の真の開始を告げる本格的論考の誕生。才気溢れる気鋭による初の単著。


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