書名:暴力の発生と連鎖
者:上村 くにこ

定価:2625円
(本体価格2500円+税125円)
サイズ:A5判上製 270
ページ 刊行日2008年3月 
ISBN978-4-409-34038-7 (専門性をもった教養書/心理・社会)

目次

まえがき

第一部 暴力の臨床 
犯罪・非行臨床から見た「暴力」
  藤岡淳子/男性がこころに抱えるものをどう扱うか  濱田智崇/DV加害者への取り組み
---「メンズサポートルーム」に関わって 千葉征慶

第二部 暴力の構造論
優しいままの暴力
  森達也/米国プロパガンダ・ポスターに見るナショナリズムとジェンダー  北原恵/残虐性に彼方は?
  港道隆

第三部 暴力の神話学
暴力神の系譜  篠田知和基/ヘシオドスに現在を読む---暴力・争い・正義・ジェンダー  饗庭千代子/ギリシア悲劇における暴力と女性なるもの  上村くにこ

執筆者略歴


著者・内容紹介

上村 くにこ うえむら くにこ

1944年生。 大阪大学博士課程満期退学。パリ第4大学博士取得。博士(文学)。甲南大学文学部教授。専門はフランス文学、神話、ジェンダー論。著書に『恋愛達人の世界史』(中公新書ラクレ)、『失恋という幸福』(人文書院)、 『白鳥のシンボリズム』(お茶の水書房)など


暴力は単純な「悪」ではない、暴力の発生する源はどこなのか、そして連鎖はなぜ起こるのか

暴力は複雑で定義しがたいエネルギーである。本書では、犯罪・非行臨床から見た暴力、DV加害者への取り組み、ジェンダーと暴力の問題、暴力神の系譜など、心理学・神話研究・哲学・表象研究などの専門を異にする論者が、それぞれの立場から現代の暴力の発生と連鎖について考え、それを直視する。また、DVから戦争まで、現代の社会が抱える暴力の問題を、性的差異という論点から眺めなおし、差異から共生への積極的回路をさぐる試みでもある。

(甲南大学人間科学研究所叢書第2期全7巻完結)

執筆者 藤岡淳子/濱田智崇/千葉征慶/森達也/北原恵/港道隆/篠田知和基/饗庭千代子/上村くにこ


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