書名:暴力の発生と連鎖 |
目次 |
まえがき
第一部 暴力の臨床
犯罪・非行臨床から見た「暴力」 藤岡淳子/男性がこころに抱えるものをどう扱うか 濱田智崇/DV加害者への取り組み---「メンズサポートルーム」に関わって 千葉征慶
第二部 暴力の構造論
優しいままの暴力 森達也/米国プロパガンダ・ポスターに見るナショナリズムとジェンダー 北原恵/残虐性に彼方は? 港道隆
第三部 暴力の神話学
暴力神の系譜 篠田知和基/ヘシオドスに現在を読む---暴力・争い・正義・ジェンダー 饗庭千代子/ギリシア悲劇における暴力と女性なるもの 上村くにこ
執筆者略歴
著者・内容紹介 |
上村 くにこ うえむら くにこ
1944年生。 大阪大学博士課程満期退学。パリ第4大学博士取得。博士(文学)。甲南大学文学部教授。専門はフランス文学、神話、ジェンダー論。著書に『恋愛達人の世界史』(中公新書ラクレ)、『失恋という幸福』(人文書院)、 『白鳥のシンボリズム』(お茶の水書房)など
暴力は単純な「悪」ではない、暴力の発生する源はどこなのか、そして連鎖はなぜ起こるのか
暴力は複雑で定義しがたいエネルギーである。本書では、犯罪・非行臨床から見た暴力、DV加害者への取り組み、ジェンダーと暴力の問題、暴力神の系譜など、心理学・神話研究・哲学・表象研究などの専門を異にする論者が、それぞれの立場から現代の暴力の発生と連鎖について考え、それを直視する。また、DVから戦争まで、現代の社会が抱える暴力の問題を、性的差異という論点から眺めなおし、差異から共生への積極的回路をさぐる試みでもある。
(甲南大学人間科学研究所叢書第2期全7巻完結)
執筆者 藤岡淳子/濱田智崇/千葉征慶/森達也/北原恵/港道隆/篠田知和基/饗庭千代子/上村くにこ