書名:記念日の創造 編者: 小関 隆 定価:1575円
(本体価格1500円+税75円) |
目次 |
序論 記念日と記念行事をめぐる抗争 小関隆/記憶を造形する命日――ベンジャミン・ディズレイリとプリムローズ 小関隆/大地に軍隊を捧げた日――ナチスの収穫感謝祭 藤原辰史/中国の祭日と死者を巡る物語 佐野誠子/思い出せない日付――中国共産党の記念日 石川禎浩/ブックガイド
編者・内容紹介 |
小関 隆 こせき たかし
京都大学人文科学研究所准教授。一九六〇年東京生まれ。一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。一九九一年より東京農工大学、二〇〇〇年より津田塾大学を経て、二〇〇三年より現職。専攻はイギリス・アイルランド近現代史。現在は第一
次世界大戦期の研究を進めている。著作として、『一八四八年――チャーティズムとアイルランド・ナショナリズム』 (未来社、一九九三年)、『記憶のかたち――コメモレイションの文化史』 (共編、柏書房、一九九九年)、『世紀転漁期イギリスの人びと――アソシエイションとシティズンシップ』 (編著、人文書院、二〇〇〇年)、『プリムローズ・リーグの時代――世紀転換期イギリスの保守主義』 (岩波書店、二〇〇六年) など。
記念日」そして「記念行事」の社会的意味と機能を探る
近代イギリスの「国民的英雄」顕彰行事、ナチスドイツ最大である祝典の収穫感謝祭、古代中国の死者に関する物語と祭日、中国共産党の創立記念日といった事例に即して、私たちの日常生活をとりま く記念日、そして記念日にともなう記念行事の社会的な意味や機能を探る。日付の選定から、物語やイメージの付与、そして記憶や資料の改ざんにいたるまで、記念日をめぐるさまざまな抗争を明らかにし、集団的記憶や記念日の受け入れ方に疑問をなげかける。京都大学人文科学研究所夏期講座連動企画。