書名:東アジア内海世界の交流史―周縁地域における社会制度の形成

者:加藤雄三・大西秀之・佐々木史郎

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判並製 304
ページ 刊行日2008年3月 
ISBN978-4-409-51059-9 (歴史/文化・社会史)

目次

はじめに―東アジア内海世界へ 加藤雄三

第一部 交流・交易をになった地域のすがた
第一章 アイヌ文化の成立と交易  瀬川拓郎/第二章 琉球王国における貢納制の展開と交易―「琉球弧」域内統合と交易システム  岡本弘道/第三章 アイヌの北方交易とアイヌ文化―銅雀台瓦硯の再発見をめぐって  中村和之/第四章 南島の交流と交易―環東シナ海における位置  角南聡一郎

第二部 社会をつくる人びと、つなぐ人びと
第五章 清代マンジュ(満洲)人の「家」と国家―辞令書と系図が語る秩序  杉山清彦/第六章 近世琉球の社会と身分―「家譜」という特権  渡辺美季/第七章 ダイチン・グルン時期のアンダ―帝国の編成から交易における活用まで  承志/第八章 台湾事件と漢番交易の仲介者―双渓口の人びとのまなざし  林淑美

第三部 日々の営みをめぐる権利
第九章 極東ロシア先住民族の狩猟領域―沿海地方のウデへの事例から  佐々木史郎/第一〇章 清末民国期の太湖流域漁民―漂泊・漁撈生活と入漁慣行  大田出/第一一章 アイヌ社会における川筋集団の自律性  大西秀之/第一二章 租界社会と取引―不動産の取引から  加藤雄三

おわりに―周縁からながめた東アジア内海世界 大西秀之

あとがき 佐々木史郎


編者・内容紹介

加藤 雄三 かとう ゆうぞう
1971年東京都生まれ。総合地球環境学研究所助教。法史学。『オアシス地域史論叢――黒河流域2000年の点描』(共編著、松香堂)『中国法制史考証 丙編』(第四巻、共著、中国社会科学出版社)など。

大西 秀之 おおにし ひでゆき
1969年奈良県生まれ。総合地球環境学研究所上級研究員。人類学、考古学。『水と世界遺産――景観・環境・暮らしをめぐって』(共著、小学館)『人はなぜ花を愛でるのか』(共著、八坂書房)、『電子メディアを飼いならす――異文化を橋渡すフィールド研究の視座』(共著、せりか書房)など

佐々木 史郎 ささき しろう
1957年東京都生まれ。国立民族学博物館教授。文化人類学。『資源人類学07 生態資源の選択的利用と象徴化』(共著、弘文堂)、『ものが語る歴史13 アイヌのクマ送りの世界』(共著、同成社)など。


海から立ちあらわれるもう一つの東アジア

サハリン、北海道、満洲から、琉球、奄美をはじめとする南島まで、日本海、東シナ海を取り囲む諸地域が交易を通じて形成した社会制度について考える。とりわけ「日本」の南北を対話的にえがくことで、国家や制度を越えた人・モノ・情報の動きと、日本も含めた関係性を浮き彫りにする。国家の周縁部から歴史をとらえなおす、考古学、人類学、歴史学による画期的取り組み。


オーダー