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書名:東南アジアの森に何が起こっているか―熱帯雨林とモンスーン林からの報告 編者: 秋道智彌、市川昌広 定価:2625円
(本体価格2500円+税125円) |
目次 |
序章 東南アジアの森に何が起こっているか――熱帯雨林とモンスーン林からの報告 秋道智彌/市川昌広
第1章 メコン流域からスンダランドへ/大陸部 動かない森、変転する森―ラオスの森林の一〇〇年史 河野泰之/島嶼部 うつろいゆくサラワクの森の一〇〇年―多様な資源利用の単純化 市川昌広
第2章 森林産物利用の社会経済史/大陸部 メコン跨境流域の森林産物―ラーオの森のラッチとチーク 竹田晋也/島嶼部 サラワク・シハン人の森林産物利用―狩猟や採集にこだわる生計のたてかた 加藤裕美
第3章 森にすむ人びとの知恵を探る/大陸部 「水田と樹木の複合」の知恵―ラオス中部の産米林の事例から 小坂康之/島嶼部 ボルネオ熱帯雨林を利用するための知識と技―サゴ澱粉とオオミツバチの蜂蜜・蜂の子・蜜蝋採集 鮫島弘光/小泉都
第4章 森とエコ・ポリティックス/大陸部 森の錬金術と国境―雲南と東南アジア大陸部山地 阿部健一/島嶼部 バリケード・裁判・森林認証―サラワクの原生林に刻み込まれたポリティックス 藤田渡
第5章 開発の波の進行/大陸部 雲南におけるゴム林拡大の歴史 長谷千代子/島嶼部 サラワクにおけるプランテーションの拡大 祖田亮次
終章 東南アジアの森と暮らしの変化 山田勇
索引
執筆者略歴
著者・内容紹介 |
秋道智彌(あきみち・ともや)1946年生。東京大学大学院理学系研究科人類学博士課程終了。理学博士。総合地球環境学研究所副所長。生態人類学。『コモンズの人類学―文化・歴史・生態』(人文書院、2004年)、『論集 モンスーンアジアの生態史』(全3巻)(監修、弘文堂、2008年)、『人と魚の自然史―母なるメコン河に生きる』(共編著、世界思想社、2008年)、『図録メコンの世界―歴史と生態』(編著、弘文堂、2007年)など。
市川昌広(いちかわ・まさひろ)1962年生。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程終了。博士(人間・環境学)。総合地球環境学研究所准教授。東南アジア島嶼部地域研究。『森はだれのものか?―アジアの森と人の未来』(共著、昭和堂、2007年)など。
開発の波にさらされる森林とそこで暮らす人びとの生活は今――人びとの暮らしの知恵と森林の特質、そしてその変化を追う
地球規模の環境問題である熱帯・亜熱帯林の劣化・減少にたいし私たちはどう対処すればよいのか。本書では、気候帯のちがう島嶼部のボルネオ島と大陸部のラオス、中国の事例を取りあげ、大胆な二地域間の比較を試みる。異なる条件にある森林をめぐる人びとの営みを通じ、構造的な類縁性、同時代性からみられる収斂性、多様性を総合的に分析する。