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書名:吉野裕子全集 第12巻 著者:吉野裕子 定価:3150円
(本体価格3000円+税150円) |
目次 |
古代日本の女性天皇
序
座談会「天皇制をめぐって」(小柴昌俊・小柴恵子・遠山慶子・吉野裕子)
はじめに
序 中国における女帝不在の原理 一 中国皇帝の本質 二 日本天皇の本質
I 原始日本社会の女性上位
第一章 祭祀面女性上位 一 日本の蛇信仰 二 蛇巫・女王卑弥呼/第二章 軍事面女性上位 一 新羅善徳女王の逸話 二 沖縄の古伝承「女は戦の魁」 三 天孫降臨 四 ヤマトタケル伝承と女の力 五 ヤマトタケルの生涯と推理
II 古代日本の女性天皇
序/第一章 第三十三代 推古天皇/第二章 第三十五代 皇極天皇・第三十七代 斉明天皇(皇極天皇重祚) 一 五徳終始説について 二 五徳終始説本朝受入れの可能性 三 皇極・斉明天皇の諡号 おわりに/第三章 第四十一代 持統天皇即位前記 はじめに 一 持統の生立 二 天智天皇「木徳」の推理 三 天武天皇「火徳」の推理 四 持統天皇「土徳」の推理 五 天武天皇の崩御とその火徳 六 持統による持統のための天武呪術崩御日設定 七 持統即位への道 八 大津と草壁 九 天皇崩御と皇太子草壁 十 皇位最短距離にある草壁と大津 十一 陰陽に対置される両皇子の死 十二 持統即位演出者――不比等と麻呂 十三 草壁皇子の死――ある白昼夢 十四 持統天皇即位式と中臣寿詞/第四章 第四十一代 持統天皇即位以降 一 『天神寿詞』 二 中臣寿詞(天神寿詞) 三 『天神寿詞』の推理 四 持統天皇即位の呪術 五 「天の水」と「地の水」 六 風水呪術 七 吉野山と金剛蔵王権現 八 吉野山の主峯・青根ヶ峯 九 金峯山/ 第五章 第四十三代 元明天皇・第四十四代 元正天皇 一 謎の元明御製 二 「不改の常典」即「天照大神の神勅」 おわりに/第六章 第四十六代 孝謙天皇・第四十八代 称徳天皇(孝謙天皇重祚) 四字年号と孝謙天皇 あとがき
雑纂
色彩と陰陽五行――および日本の古代呪術 はじめに 陰陽五行思想の概要 色彩と日本古代呪術 おわりに/伊勢神宮の祭祀と斎宮 はじめに 古代における蛇信仰 別れの御櫛の意義 伊勢神宮の宗教改革 斎宮にはたらく意識/大嘗祭とはなにか/易・五行と産屋の民俗 一 原始蛇信仰と産屋の民俗 二 易・五行と産屋の民俗 三 産屋における新旧原理の折衷 四 おわりに/大和三山の呪術性――「原始蛇信仰」と「風水呪術」の山―― はじめに 大和三山と原始蛇信仰 大和三山と風水説/ニライ試論――アカマタ・クロマタによせて――/「天若日子」葬儀の鳥――日本神話における中国古代哲学の受容―― はじめに 死と鳥 天若日子の遺体 五行の「鳥」(酉) 天若日子の遺体(土気)と鳥(金気)と水(水気) 神話の背景/「歌会始の儀」の重要性 はじめに 一 陰陽五行について 二 五行の法則による『古今和歌集』の推理/思い出の久高島――イザイホウによせて―― 一 イザイホウの概要 二 イザイホウ実見録 三 私見イザイホウ 四 思い出の久高島/縄文人の考え方/瓠主役の国宝絵画「夕顔棚納涼図」/桜花と陰陽五行 陰陽五行の法則を負う桜 「花見」と「月見」の関連 吉野山と青根ヶ峯 雪・月・花 おわりに 水・二題(平成の年号・紅白のお供物)/私の歩んだ道ー―『扇』再刊によせて――/女子学習院の教育/日録――韓国歴史の旅――/「世間様」という言葉/食品偽装と陰陽五行の理/Thomas Hardy as a Reasoner and Feeler あとがき
歌集 風の誘ひ 月夜 冬・秋のうた 折にふれて 高原にて 學舎にて あとがき
日本神道の本質――この全集の終りに当たって――
索引
内容紹介 |
帝王の徳とは何か? 女性に果たしてその徳はあるのか?
日本の古代、なぜにかくも多くの女性天皇が登場したのか? 天の北極星の神霊化たる太極としての天皇存在の本質を問い、推古以来の歴代の女性天皇の女帝としての「徳」獲得のさまざまなあり方を易・五行から解明する『古代日本の女性天皇』(2005年)と、著者の20代の最初の出版物である歌集『風の誘ひ』や紀行文ほか単行本未収録の論考・随筆などを収める。