書名:科学文明の「信」を問う 存在・時間・生命の情理 著者:河原 宏 価格:1800円 |
目次 |
序 現代文明の運命 T 合理主義からニヒリズムへ:存在の不安・存在の危機/究極の合理主義/ニヒリズムの究極/存在の情理と曼陀羅的世界 U 「色即是空」――存在の情理:現代人にとっての『心経』/「健全な身体に健全な精神が宿る」/「心」は遺伝子が決める/ウエルベック『素粒子』/ビッグバーン・インフレーション論/宇宙論のフィジカとメタフィジカ V 「諸行無常」――時間の情理:無常の情理/統一理論へと夢の一神的伝統/「後なるもの、先になることあるべし」/歴史の響音/終わりの自由、あるいは滅びの作法 W 「一切衆生悉有仏性」――生命の情理:生まれることの自由/自由と自在/科学の情理と有情の科学 補論 「核」をめぐる現代人の信と不信 あとがき |
著者・内容紹介 |
河原 宏 かわはら ひろし
1928年東京生まれ。1959年、早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学博士。現在、早稲田大学名誉教授。専攻、日本政治思想史。
主著:『昭和政治思想研究』(早稲田大学出版部、1978)、『江戸の精神史―美と志の心身関係』(ぺりかん社、1992)、『日本人の「戦争」―古典と死生の間で』(築地書館、1995)、『「自在」に生きた日本人』(農文協、1998)、『青年の条件―歴史のなかの父と子』(人文書院、1998)、『素朴への回帰―国から「くに」へ』(人文書院、2000)他。
主編著:『日中関係史の基礎知識―現代中国を知るために』(有斐閣、1974)、『比較ファシズム研究』(成文堂、1982)、『日本思想の地平と水脈』(ぺりかん社、1998)他。
抑制を知らぬ、傲慢な、現代科学とテクノロジー社会への警鐘! 現代科学文明の見直しと批判への哲学的視点
20世紀があらわにした「核」の問題、環境汚染、貧富格差、強烈な金銭支配の現実、そのすべてが21世紀に持ち越されている。そこに底流しているのは、日常生活の隅々と、宇宙と世界のすべてに容赦なく知的な覇権をとなえる現代科学技術のもつ恐ろしいまでの無限可能性である。変わりゆく世界のなかで、不易の智恵と信の重要性をさまざまな局面で切り取った、「宗教と科学」を軸にした現代文明論。