書名:
存在と灰
     ツェラン、そしてデリダ以後

著者:守中 高明

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判上製 318
ページ 刊行日2004年6月 
ISBN4-409-04067-7 (教養/現代思想・批評)

  内容紹介欄へ

目次
T 詩的言語のポリティクス
灰の分有――パウル・ツェランという音域/二人、あるいは盲目――パウル・ツェランの眼差し/癒えぬものの政治――ハイデガーとヘルダーリンのあいだ/詩的存在論の声――ハイデガーによるヘルダーリン/言葉そして狂気――ヘルダーリンの光/<物質>の要請――終焉の政治学と詩のプログラム/朔太郎あるいは「退却」の教え

U 翻訳の詩学
翻訳者としての詩人――国語批判のために/「詩句」と「翻訳」――ブランショによるマラルメ/起源のミメーシス――ハイデガーにおける歴史と翻訳

V  境界の詩人たち
ノスタルジーの新たなる闘い――ジョナス・メカスのために/力の刻印――ヴィクトル・セガレン『碑』をめぐって/ボーダーライン――梁石日「アジア的身体」のための破片/無言・偶然・わたくしたち――吉増剛造『The Other Voice』論

W シュルレアリスムの問い
ブルトンと他性のコミュニケーション/贈与と驚異――『ナジャ』論

注/あとがき/初出一覧


著者・内容紹介

守中 高明  もりなか たかあき
1960年生まれ。フランス文学・思想専攻。早稲田大学法学部助教授・詩人。
主著:『反―詩的文法』(思潮社、1995)、『ドゥルーズ横断』(共著、河出書房新社、1994、『シュルレアリスムの射程』(共著、せりか書房、1998)、 『脱構築』(岩波書店、1999)、『文化解体の想像力』(共著、人文書院、2000)、『宗教の問い 2 「光」の解読』(共著、岩波書店、2000)、詩集として、『現代詩文庫 守中高明詩集』(思潮社、2001)、『シスター・アンティゴネーの暦のない墓』(思潮社、2001)他。
翻訳:デリダ『シボレート』(共訳、岩波書店、1990)、ドゥルーズ・ガタリ『千のプラトー』(共訳、河出書房新社、1994)、デリダ『たった一つの、わたしのものではない言葉』(岩波書店、2001)、ラター=ラバルト/ナンシー『ナチ神話』(松籟社、2002)、ドゥルーズ『批評と臨床』(共訳、河出書房新社、2002)、デリダ『コーラ』(未来社、2004)など。


美学的回収へのあらゆる欲望に抗して

気鋭の詩人であり、デリダ等のすぐれた現代思想の紹介者による最新評論集。ツェラン、ハイデガー、ヘルダーリン、ブランショ……闘争する思考の場に身をおきつづけた思想家・表現者たちの言葉に肉薄し、「いま−ここ」から発する思考の強度を独自の詩学として宣言する意欲作。


オーダー