書名:心の危機と臨床の知 6 花の命 人の命――土と空が育む 編者:斧谷彌守一 定価:2625円
(本体価格2500円+税125円) |
目次 |
まえがき──「花」をめぐる感性の変容
第一部 「花」の来歴
梶井基次郎「桜の樹の下には」について──コノハナノサクヤビメとのかかわりをめぐって 金関 猛/沖縄人(ウチナンチュ)の心──テダが花 高阪 薫
第二部 「花」そのもの
花々の命の営み 田中 修/花がこころを開く──環境療法(Milieu
Therapy)と園芸療法(Plants Assisted Therapy) 浅野房世
第三部 重畳する「花」
舛次崇と植木鉢の花──アウトサイダー・アートに花を探す 服部 正/複式夢幻能における〈花〉 川戸 圓/花のコスモロジー 加藤 清
第四部 「言」の「花」
花が花開く・言葉が花開く──「たま」をめぐる式子内親王/東直子の歌 斧谷 彌守一/「理性」という徒花?──人間の危うさ 岩城見一
甲南大学人間科学研究所 第6回公開シンポジウム
花の命・人の命--------震災10周年を記念して生命(いのち)を考える
パネルディスカッション
執筆者略歴
著者・内容紹介 |
斧谷彌守一 おきたに やすいち
1945年生。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。甲南大学文学部人間学科教授。専門は言語論、文学論。
著書:『言葉の二十世紀』(ちくま学芸文庫)、『リアリティの変容?――身体/メディア/イメージ』(編著、新曜社)など
訳書:『照らし出された戦後ドイツ』(共訳、人文書院)
現代人の心の危機の総合的研究。日本人の感性はどのように変容していったのか?生命性の象徴である花をテーマに領域をこえて様々な切り口で読み解く
現代の人間が直面する危機的状況という大きな課題に光をあて、臨床心理学のみならず思想、文学、芸術学ほか、自然科学系まで幅広い学問分野の協力によって現代人の心を理論的に追求し、社会に向けて提言してゆく好評のシリーズの第6巻。戦後アメリカ文化の影響の下、日本人の感性的・身体的環境は激変したが、その根底に日本人の伝統的感性はどのように流れ続けていくのか、本巻では「感性の変容」をテーマに日本における新しい感性の限界と可能性をさぐっていく。とくに古来、日本人に根付いている「花」をテーマに4部構成9編の気鋭の論文を収録した。