書名:日蓮と親鸞 著者:中本征利 定価:2940円
(本体価格2800円+税140円) |
目次 |
まえがき 第一章 時代と人/第二章 縁起無我から般若空へ:釈迦の教え 小乗アビダルマ 般若経 竜樹登場/第三章 生ける仏陀を求めて――菩薩と法身:ビルシャナ仏、華厳経の世界 真如そして迷妄―如来蔵と唯識/第四章 眼にみえる仏様――浄土教の世界:弥陀の本願・凡夫の願い 光明と智恵―彼岸の観想 罪悪と称名―末法濁悪の凡夫 光と闇/第五章 大いなる時――法華経と対話:仏とその弟子 時間と方便 漢民族の仏教 十界互具―天台智の思想/第六章 大和の仏――仏教伝来:国の成り立ち 国家と仏教 武士道・菩薩道/第七章 親鸞、我は仏なり:源信と法然―観仏から称名へ 弥陀一向―教行信証 悪人正機―歎異称 人生の転機 親鸞の思想/第八章 日蓮、我は仏なり:生涯と時代 国家諌暁―守護国家論・立正安国論 法華経の行者―開目抄・観心本尊抄 自己作仏 悪党日蓮 日蓮の思想/第九章 親鸞/日蓮 インド仏教史年表/中国仏教史年表/奈良時代仏教史年表/親鸞の生涯年表/日蓮の生涯年表/参考文献/索引 |
著者・内容紹介 |
中本征利 なかもと まさとし
1942年神戸市に生まれる。1966年京都大学医学部卒業。1976年大阪近郊尼崎にて精神分析クリニックを開業し今日に至る。その間豊岡病院・三国ヶ丘病院・北野病院神経精神科(副部長)に勤務。山村道雄氏に教育分析を受ける。1985年より1995年まで大阪精神分析ゼミナールを主催し後進の指導に当たる。現在治療分析の傍ら教育分析及び個人指導によるスーパーヴィジョンも行う。大阪市立大学非常勤講師。
主著:『存在と性』(1984)、『フロイトとヘーゲル』(1985)、『何のために心理療法を学ぶのか』(1986)、『抑圧の構造』(1987)、『任侠のエトス』(1987、以上勁草出版サーヴィスセンター)、『精神分析技法論』(ミネルヴァ書房、1995)、『男の恋の分析学』(2001)、『源氏物語の精神分析学』(2002)、『精神分析療法における攻撃性の研究』(2002、以上蝸牛新社)、『恋愛力』(集英社、2003)
共著:『寂しい女』(人文書院、1991、品切)、『心理臨床大辞典』(培風館、1992)、『カウンセリングの理論と技法』(1994)、『カウンセリング事例集』(1994)、『発達とカウンセリング』(1994、以上別冊発達、ミネルヴァ書房)、『転移/逆転移』(1997、品切)、『共感と解釈』(1999、以上人文書院)
仏教思想史のなかで日蓮と親鸞を統合して捉える新機軸の論!
武士政権の出現と鎌倉仏教をもって日本人の精神構造の基本的性格が形成されるという強い確信のもとに、鎌倉仏教の革新的特徴を最も明瞭に体現している二人の宗教人──日蓮と親鸞の思想に肉薄する。仏教の開祖である釈迦のインド起源にもう一度立ち、汎アジア的な仏教史の流れに沿って、新しい信仰の唱導者でもあり、一面信仰の「破壊者」でもあった、日蓮と親鸞の二者を統合的に考察することから新しく見えてくる救済の思想。
小社の臨床心理・精神医学関係の好評書『転移と逆転移』『共感と解釈』の執筆者でもある精神科医の著者による意欲の力作仏教評論。