書名:コモンズの人類学 文化・歴史・生態 著者:秋道智彌 定価:2730円
(本体価格2600円+税130円) |
目次 |
序論 コモンズ人類学:自然は誰のものか コモンズとは 「共有の悲劇」論 共有論の視座と着眼点 本書の構成
第一部 文化としてのコモンズ 第二部 歴史のなかのコモンズ 文献/あとがき/主要事項索引 |
著者・内容紹介 |
秋道智彌 あきみち ともや
1946年京都府生まれ。京都大学理学部動物学科、東京大学大学院理学系研究科人類学修士課程修了、同博士課程単位修得。国立民俗博物館助手、助教授、教授、総合研究大学院大学先導科学研究科併任教授を経て、2001年より総合地球環境学研究所教授、現在に至る。理学博士。選考は、生態人類学、海洋民族学、民俗生物学。
日本、東南アジア、オセアニア地域において、生態人類学的調査・研究に従事。総合地球環境研究所では、アジア熱帯モンスーン地域の生態史的研究を統括。
主著:『海洋民族学』(東京大学出版会)、『なわばりの文化史――山・川・海の資源と民俗社会』(小学館)
編著:Coastal Foragers in Transition. Senri Ethnological Studies No42
(National Museum of Ethnology)、『自然はだれのものか――「コモンズの悲劇」を超えて』(昭和堂)、『紛争の海――資産資源管理の人類学』(人文書院)など。
地域と地球の環境問題のキーワード=コモンズを考察
コモンズとは共有地や共有資源の取得・保全についての地元の文化的しきたりや智恵のこと。「自然は誰のものか」という切実な疑問を前に、コモンズ論は今や環境人類学・環境社会学の重要な研究課題になった。著者はパプアニューギニア・インドネシア東部・ソロモン諸島・タイ南部・中国雲南省などのフィールドワークを長年重ね、現地に根づいているコモンズの実態と問題を本書にまとめた。本書はグローバルな視点を提供するだけでなく、日本の環境問題や資源保全を考える指針にもなる。