書名:高等魔術の教理と祭儀 祭儀篇

者:エリファス・レヴィ

定価:4200円 (本体価格4000円+税200円)
サイズ:A5判上製 330
ページ 初版刊行日1992年6月 
ISBN978-4-409-03023-3 (思想/神秘思想)

目次

序章

第一章 準備 魔術的作業の下拵えと根本方針、作業者の諸準備
第二章 魔術的均衡  二力の交互使用―実践において必要な二者対立―同時に必要な攻撃と防衛―「神殿」建設作業員の鏝と剣
第三章 万能符の三角形 招魂 および生贄奉納の儀式における「三つ組」の使用―降霊作業、ならびに「万能符」に用いられる三角形―三角形の組合せ―パラケルススの三叉戟
第四章 四つのものを呼び出す咒文  目に見えぬ自然のちから、その利用法―大自然の精霊および邪悪霊を支配し隷属させる方法
第五章 煌めく五芒星 「五芒星」の作り方と用い方
第六章 媒体と媒介者 「大作因」を制御する意志力―自然内「媒体」と自然外「媒介者」
第七章 七組の護符 儀式、週の七日に適した衣装と香料―七つの護符および魔術器具の作製法
第八章 向こう見ずな連中への忠告 魔術の大作業達成に当たって警戒すべき事柄
第九章 秘法伝授の儀式 その目的と精神
第十章 隠秘学の鍵  「万能符」の使用法―その秘密、古今の諸例―「聖書」の不可解箇所を解読するための鍵―エゼキエルと聖ヨハネ
第十一章 三重の鎖 鎖を編み出す方法
第十二章 大作業 その過程、秘密―ライムンドス・ルルスとニコラ・フラメル
第十三章 降霊術 死者を甦らせる儀式と降霊術
第十四章 変質 事物の性質を変える諸方法―ギゲスの指環―変質をもたらす言葉
第十五章 妖術師の魔宴(サバト)  「魔宴」の儀式、様々な祭神―メンデスの牡山羊―カトリーヌ・ド・メディチ、ジル・ド・レエ伯爵の錯誤
第十六章 呪縛と呪符 呪縛の儀式―それから身を護る方法
第十七章 星の文字  星による占い―ガファレルの平面天体図ーどのようにすれば大空の中に人間と国家の運命を読み取ることが出来るか
第十八章 媚薬と磁力 媚薬の調合法―人の運命を左右する方法―治療法、防護法
第十九章 太陽の支配 「賢者の石」の用い方―その保存法、分解・再構成の方法
第二十章 奇蹟術  治療学―冷気送入、熱気送入―体に触れる手業(てわざ)、触れない手業―頭に手を置く効果―唾液の効能
第二十一章 予言者の学問 占いの儀式―トリテミウスの小鍵―ヨーロッパならびに世界の運命
第二十二章 ヘルメスの書 ヘルメスの秘められた書物の中にこの学問の全容が収められていること―この書物の古さ―クール・ド・ジェブラン、エッティヤの労作―ガファレルによるヘブライ民族の「テラフィム」 ―ギョーム・ポステルの鍵―サン・マルタンの書物―「約櫃」の本当の姿―イタリアとドイツの「タロット・カード」―中国の「タロット・カード」―十六世紀の聖牌―「タロット」の普遍的鍵―「黙示録」の比喩への応用―キリスト教派「カバラ」の七つの封印―本書の総括的結論

図版一覧解説


著者、訳者紹介

エリファス・レヴィ (Eliphas Levi)  1810‐75
フランスの神秘思想家。本名A.L.コンスタン(Alphonse Louis Constant)。西欧に伝わる魔術の基本、カバラ研究の権威であり、同時にまた実践者として〈魔道中興の祖〉と称される。パリで生まれ、 はじめ聖職を志して神学校に学び、卒業後助祭の地位にまで進んだが、神秘主義、社会主義に接近してしだいに正統的カトリシズムから遠ざかり、1844年に出版した著書《神の母》は教会から異端の書として糾弾された。45年には、ボードレールの同名の詩への影響が指摘される〈コレスポンダンス〉を含む詩集《三つの調和》を刊行している。46年、還俗して結婚生活に入るが 間もなく離婚。51年、長年取り組んできた《キリスト教文献事典》を中途で放棄して魔術研究に没入、同時にカバラへの帰依のしるしとして名前もヘブライ語化して、エリファス・レヴィと改める。《高等魔術の教理と祭儀》(1855−1856)に続いて、60年から65年にかけてその方面の研究成果を〈オカルト哲学叢書〉として次々と世に問い、代表的なものに《魔術の歴史》(1860)、《大 いなる神秘の鍵》(1861)などがある。死の直前、教会と和解したとも言われるが、その魔術関係の諸著作が19世紀後半以降のヨーロッパ異端思想や文学に与えた影響は甚大で、ボードレール、ヴィリエ・ド・リラダン、マラルメ、ランボー、W.B.イェーツ、ブルトン、バタイユらにインスピレーションを与えたほか、現代の思想・文学・芸術・にまで大きな影を投じている。

生田耕作(いくた・こうさく)
1924年生まれ。1950年京都大学仏文科卒。京都大学名誉教授。『るさんちまん』『ダンディズム――栄光と悲惨』『黒い文学館』の著書の他、マンディアルグ、バタイユ、ブルトン、セリーヌ、サンドラールなどの翻訳多数。


内容紹介

高等魔術!王者の学問、支配者の修験道

  怠け者はぜったいに魔術師にはなれない。魔術はすべての時間、すべての瞬間にまたがる修練である。「大作業」の実践者は自己の絶対的支配者であることが必要である。快楽の誘惑、食欲、そして眠気にも打ち克てることが。立身出世にたいしてだけでなく、低い身分にたいしても平気でいられることが必要である。その暮らしは、一つの理念によって導かれ自然全体によってかしずかれる一つの意思の現われでなければならない。そのためには先ず五官を精神に従属させ、五官と照応する宇宙の諸力の中において自然全体を精神の下に従属させることが必要である。(本書より)

『高等魔術の教理と祭儀』は、理論を解説した『教理篇』、実践方法を解説した『祭儀篇』の二つに分かれている。本書『祭儀篇』では、魔術の儀式に必要な諸道具、さらに降霊術、呪術、占術などの儀式の中での、これらの道具の具体的な使用法まで、魔術の実践方法が詳しく述べられている


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