書名:吉野裕子全集 第2巻 

著者:吉野裕子

定価:3150円 (本体価格3000円+税150円)
サイズ:A5判上製製 318
ページ 刊行日2007年3月 
ISBN978-4-409-54989-6(教養書/民俗学)

目次

日本古代呪術

まえがき
序章 古代日本人における世界像と現世生活像:古代日本人の特質/日本の祭りの特質=蛇型と巫女型/古代日本人における世界像/古代日本人における世界像と現世生活像/世界像の考察/現世生活像の考察/再び家について
第一章 日本原始信仰と陰陽五行説:陰陽五行説/日本原始信仰と陰陽五行説の習合――信仰軸の多極多様化
第二章 女陰考――呪術における女陰:神話・伝承における女陰/信仰の対象としての女陰/呪術と女陰――呪術としての女陰/倭建命伝承と女の力/クラ考/菱型考/おわりに
第三章 白鳳期における呪術:天智天皇近江遷都の呪術/天武天皇崩御における呪術/私見高松塚壁画
第四章 私見大嘗祭:柳田國男『祭日考』について/私見大嘗祭
第五章 陰陽五行の諸祭祀・行事:正月値の子日(ねのひ)の行事/能登気多大社の鵜祭り/奈良東大寺のお水取/補陀洛渡海と五行――紀州熊野の意味するもの
第六章 沖縄の祭り・伝承の中に潜む陰陽五行思想:沖縄石垣島の豊年祭/沖縄砂川(うるか)の津波よけ神事/池間島の伝承/井戸と竜宮
日本古代呪術 要旨――「陰陽五行と日本原始信仰」
私見日本原始信仰/陰陽五行説の概略/日本原始信仰と五行説の習合/習合の実際――子卯の結合

隠された神々

はじめに
第一章 日本古代の神々:神々をとらえる日本的思想/古代日本人が描く世界像/陰陽五行を受け入れたとき
第二章 大君は神にしませば――白鳳期の呪術近江遷都の謎/改葬された天武天皇陵/高松塚の被葬者はだれか
第三章 伊勢に隠された神々――伊勢神宮の謎天照大神のかげにひそむ「太一」神/伊勢神宮をつらぬく陰陽五行/北斗七星と伊勢の祭り/大玉串行事の背後にあるもの/「西北」という聖なる方位
第四章 大嘗祭にまつられる神:「御禊(みそぎ)」は何を象徴するか/陰陽五行を隠した天皇の即位式/おわりに

索引


嘗祭、白鳳期の天武陵、高松塚壁画など、日本原始信仰の奥底に秘められた呪術の数々に挑む『日本古代呪術』『隠された神々』を収録

『日本古代呪術』(1974年)は陰陽五行思想が日本原始信仰とどのように習合していったかを、大嘗祭、天武天皇陵、高松塚壁画など、幾重にもぬりこめられた白鳳期の呪術をときほぐす過程で明らかにした。『隠された神々』はそれを発展させ、古代日本における遷都や伊勢神宮の複雑な祭の謎に迫って、日本の神々の体系を鮮やかに炙り出す。吉野民俗学初期の力作2点を収録。


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