吉野裕子全集 全12巻
定価各巻 3150円 (本体価格3000円+税150円)
巻数 | 収録内容 | 刊行日 |
1 | 扇/祭りの原理 | 07年1月 |
2 | 日本古代呪術/隠された神々 | 2月 |
3 | 陰陽五行思想からみた日本の祭り | 4月 |
4 | 蛇/狐 | 5月 |
5 | 日本人死生観/陰陽五行と日本の民俗 | 7月 |
6 | 易と日本の祭祀/陰陽五行と童児祭祀 | 8月 |
7 | 大嘗祭/持統天皇 | 9月 |
8 | 山の神/神々の誕生 | 10月 |
9 | 五行循環/十二支 | 11月 |
10 | ダルマの民俗学/陰陽五行と日本の天皇 | 12月 |
11 | 易・五行と源氏の世界/陰陽五行と日本の文化/雑纂 | 08年3月 |
12 | 古代日本の女性天皇 | 08年6月 |
全集刊行に寄せて
私が民俗学を志した動機は、「扇」、それも五十歳の時なので、文字通り、遅い出発である。これも高年になって習い始めた日本舞踊では、扇が有形無形の森羅万象を表現するのに驚き、その起源を知りたいと思うようになった。芸能の源泉は神事という。そこで扇が主役となる祭りを追って歩くうち、沖縄の神木蒲葵に出会い、この蒲葵の中に祖神としての蛇を感得、同時に日本の祭りの中に、中国の古代哲学、易・五行の法則が深く関係しているのに気付き、この蛇と陰陽五行の二つを柱として歳時習俗のみならず日本そのものを推理しつづけて来た。
此度、発刊するのはこの三十余年に及ぶ仕事の全集十二巻の初巻で、『扇』『祭の原理』を収めている。
扇の祖を蒲葵の葉とする考えは今も変らないが、同時に初期の作品として当然、内容は試行錯誤のくり返しでもある。誤りと思われるところは巻を追って今の私の考えによって訂正されて行くはずなので何卒、終り迄、おつき合い頂きたくお願い申し上げる。
二〇〇七年一月
吉 野 裕 子
吉野裕子 よしの ひろこ
1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。
1975〜87年学習院女子短期大学非常勤講師。
1977年『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。
現在、山岳修験学会、日本生活文化史学会、各理事。
著書:『扇』(初刊1970年、再刊1984年、人文書院)、『祭りの原理』(慶友社、1972年)、『日本古代呪術』(大和書房、1974年)、『隠された神々』(初刊1975年、再刊1992年、人文書院)、『陰陽五行思想からみた日本の祭』(
初刊1978年 再刊2000年、人文書院)、『蛇』(法政大学出版会、1979年、講談社学術文庫、1999年)、『狐』(法政大学出版会、1980年)、『日本人の死生観』(初刊1982年、再刊1995年、人文書院)、『陰陽五行と日本の民俗』(人文書院、1983年)、『易と日本の祭祀』(人文書院、1984年)、『陰陽五行と童児祭祀』(人文書院、1986年)、『大嘗祭』(弘文堂、1987年)、『持統天皇』(人文書院、1987年)、『山の神』(人文書院、1989年)、『神々の誕生』(岩波書店、1990年)、『五行循環』(人文書院、1992年)『十二支』(人文書院、1994年)、『ダルマの民俗学』(岩波新書、1995年)、『陰陽五行と日本の天皇』(人文書院、1998年)
、『易・五行と源氏の世界』(人文書院、1999年)、『カミナリさまはなぜヘソをねらうのか』サンマーク出版、2000年)、『陰陽五行と日本の文化』(大和書房、2003年)
、『古代日本の女性天皇』(人文書院 2005年)