書名:吉野裕子全集 第3巻 (全12巻) 著者: 吉野裕子 定価:3150円
(本体価格3000円+税150円) |
目次 |
陰陽五行思想からみた日本の祭
序
序 説:一 陰陽五行と天武朝/二 日本の祭の原理としての陰陽五行/三 「子ね」の把握
第一章 陰陽五行と古代日本:第一節 日本古代信仰 一 は じ め に 二 「クラ」と「カマ」 三 穴 の 重
視 四 天・地・人各象の捉え方 五 古代日本人における神=蛇 六 神迎えにおけるこ・も・り・ 七 中央の「穴」 八 古代日本人が描く世界像(世界像その一)――東・中・西の三極 九 東西軸上にある神界と人間界 十 国土の中に持ち込まれる神界と人間界(世界像その二) 十一 現世と幽世を分つ出雲 十二 政治的中央――都 十三 村
と 家 十四 古代日本人の画く現世生活像――中なか今いま 十五 お わ り に/第二節 陰陽五行思想の概要 一 陰陽五行思想の渡来 二 太一陰陽五行思想 三 陰
陽 二 元 四 五 行 五 十 二 支 六 三さん 合ごう の 理 七 『易』概要 八 お わ り に/第三節 陰陽五行と日本神話 T タケミナカタ神話の成立:一 諏訪神社と諏訪湖 二 天武天皇の信濃志向 三 諏訪と出雲出自の国津神 四 オホナムチ神話と中国神話 五 タケミナカタ神話と中国神話 六 史実と神話/U 伊勢・伊勢津彦・信濃:一 国譲り神話(出雲)と皇祖神鎮祭(伊勢) 二 鹿島・出雲と伊勢・大和 三 皇室専用神界としての伊勢 四 国津神・伊勢津彦の行方/V ホムツワケ皇子説話 一 唖の皇子と出雲 二 五行配当における「言語」 三 ホムツワケ説話の分析/第四節 五徳終始説と白鳳期の皇位継承 一 五徳終始説について 二 五徳終始説本朝受入れの可能性 三 孝徳天皇「水徳」の推理 四 天智天皇「木徳」の推理 五 天武天皇「火徳」の推理 六 持統天皇「土徳」の推理 七 皇極・斉明天皇の諡号 八 お
わ り に
第二章 陰陽五行と伊勢神宮の祭および大嘗祭:第一節 伊勢神宮の秘神・太一と北斗 一 は じ め
に 二 天照大神と太一 三 伊勢神宮伝承の秘文 四 中国および日本における北斗 五 北極星(太一)と北斗 六 外宮鎮座伝承 七 外宮鎮座の推理 八 神嘗祭の日取り 九 由貴ゆきの大おお御み饌け 十 外宮に伝承される五節舞/第二節 荒祭宮考 一 荒祭宮について 二 私見アラマツリノ宮 三 正宮御敷地しょうきゅうみしきち――荒祭宮に関連して/第三節 伊勢神宮の祭と星座(その一)――神嘗祭・二季月次祭・祈年祭と北斗 一 は
じ め に 二 伊勢神宮の祭と星座 三 地上に描かれる天上の星座――伊勢神宮の祭 四 太玉串について 五 斎 宮 考/第四節 伊勢神宮の祭と星座(その二)――神衣祭と南斗 一 神衣祭の謎 二 中国古典にみる南斗 三 神
衣 祭 四 南 斗 五 天武天皇の火徳/第五節 伊勢神宮の祭祀構造 一 伊勢神宮の祭祀構造 二 神楽歌と南斗北斗(瓠形) 三 ユキ・スキ/第六節 伊勢神宮の祭屋構造 一 伊勢神宮の祭屋構造 二 内宮・外宮の三合構相 三 輸 芒 第七節 伊勢神宮の謎をとく/第八節 嘗
祭 一 大嘗祭の定義およびその概略 二 御 禊 三 践祚大嘗祭 四 陰陽五行導入による大嘗祭の新たな原理
第三章 陰陽五行と諸社寺神事および沖縄の祭:第一節 北斗を祀る諸社の祭 一 は じ め に 二 由 岐 神
社 三 車 折 神 社 四 野 宮 神 社/第二節 陰陽五行と諏訪神社の祭 一 諏訪湖と諏訪神社 二 宮坂光昭資料による諏訪神事概要 三 タケミナカタノ神本質の推理 四 諏訪神社上社の祭 五 諏訪神社下社の祭 六 御柱祭(上下両社共通の祭) 七 宝殿の造営 八 風神・武神・狩猟神としての諏訪神/第三節 陰陽五行と諸社寺の祭 一 能登気多大社の鵜祭 二 奈良東大寺のお水取 三 正月子日の行事 四 補陀洛渡海/第四節 陰陽五行と沖縄の祭 一 沖縄宮古島砂川うるかの津波よけ神事 二 池間島・大主御嶽の伝承 三 井戸と竜宮 四 海うん
神じゃみ 祭
第四章 陰陽五行と日本歳時習俗:第一節 陰陽五行と迎春呪術 一 古代中国人の四季推移に対する意識 二 犬 の
磔はりつけ 三 蟹 の 串 刺 四 犬の磔と蟹の串刺の比較 五 日本における迎春呪術の種々相 六 む す び/第二節 陰陽五行と風祭呪術 一 風祭呪術資料 二 諏訪の風祭と風祝 三 風祝呪術の特殊性 四 風
封 じ 五 風 送 り/第三節 十二山神考 一 山の神=「猪」 二 歳時習俗におけるイノカミ 三 山 の
神 四 田 の 神 五 サ ノ ボ リ 六 作神としての亥いの子こ神がみ・山の神・田の神 七 作神輪廻の原理 八 十二山の神/第四節 亥子突き は
じ め に 二 「亥子突き」資料 三 亥子突きの特質 四 亥子突きの実相 五 亥子突きの考察 結 語
本書所収論考初出発表誌・書目一覧表索 引
伊勢神宮祭祀・大嘗祭への大胆な解釈。吉野民俗学の原点を示す独創研究!
本巻収録の『陰陽五行思想からみた日本の祭』(1978年)は出世作の『扇』『祭の原理』『日本古代呪術』等の著作の必然的な発展として、日本神話、伊勢神宮祭祀、北斗信仰、沖縄の祭など、数々の祭や歳時習俗と易・陰陽五行との密接なかかわりを初めて体系的に論じ、学界に衝撃を与えた類ない研究で、著者の学位論文としてまとめられたものである。