書名:
東欧の20世紀

著者:高橋秀寿/西 成彦

定価:2520円 (本体価格2400円+税120円)
サイズ:四六判並製 
356ページ 刊行日2006年4月 
ISBN4-409-23038-7(専門書/東欧現代社会史)

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目次

序文 東欧――ヨーロッパの「東」  高橋秀寿

T 国民化の暴力――マイノリティの創出と排除
「マイノリティ」を「保護」するということ――国際連盟によるシステム化と支配の構図  水野博子/なにも終わっていない――東ガリツィアにおけるホロコーストの記憶をめぐって  野村真理/ブルガリアの創氏改名と脱亜種儀――「民族再生プロセス」再考  佐原哲哉/マイノリティとしてのチェコのロマ――非ロマとの関係をめぐって  佐藤雪野

U 複数の故郷――越境する文化と記憶
「アメリカ」の誕生、またはもう一つの失われた故郷――ボヘミアからミネソタへ  大津留厚/多言語的な東欧と「ドイツ人」の文学  西 成彦/

V 問われる、〈国民の歴史〉――体制の転換と記憶の転換
隣人の記憶――ポーランドにおける「過去の克服」とドイツ  近藤孝弘/ノスタルジーか自己エンパワーメントか――東ドイツのおける「オスタルギー」現象  木戸衛一/社会主義国家の建国神話――『戦艦ポチェムキン』から『グッバイ、レーニン』まで  高橋秀寿/中央ヨーロッパの歴史とは何か――異端派サークルにおける現代史論争  篠原 琢/地域史とナショナル・ヒストリー――バルカン諸国共通歴史副教材の「戦略」  柴 宣弘

編集後記


著者・内容紹介

高橋秀寿 たかはし ひでとし
立命館大学文学部教授。ドイツ現代史。1988‐91年にケルン大学留学。2003-04年ベルリン工科大学の反ユダヤ主義研究センターに所属。ドイツにおける記憶の文化に関する調査を行っている。
著書に『再帰化する近代――ドイツ現代史試論(国際書院、1997)、共編著書に『ナショナル・アイデンティティ論の現在』(晃洋書房、2003)、共著書に『ドイツ社会史』(有斐閣、2001)、『国際社会C マイノリティと社会構造』(東京大学出版会、2002)、『ナチズムのなかの二〇世紀』(柏書房、2002)、共訳書にオットー・ダン『ドイツ国民とナショナリズム』(名古屋大学出版会、1999)など。

西 成彦 にし まさひこ
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。比較文学。ポーランド文学研究のために、1981年から83年までワルシャワ大学に留学。1988年から89年までは同大学日本語客員講師として赴任。その後は、ニューヨークやブエノスアイレス、クリチーパなどで、現地のポーランド人(および東欧ユダヤ人)を対象とした調査・資料収集を重ねている。著書に『マゾヒズムと警察』(筑摩書房、1988)、『移動文学論@イディッシュ』(作品社、1995)、共編著書に『複数の沖縄』(人文書院、2003)、『異郷の身体/テレサ・ハッキョン・チャをめぐって』(人文書院、2006)、訳書にヴィトルド・ゴンブローヴィッチ『トランス=アトランティック』(国書刊行会、2004)など。


国民国家・帝国の躓きの石としての東欧

帝国、国民国家、マイノリティ、民族自決、ホロコースト、民族浄化、ユダヤ人、ロマ、社会主義国家、分裂と統合、記憶、歴史……世界の縮図としての東欧は激動の世紀をどう生きたか。柴宣弘ほか第一線の研究者11名による「ヨーロッパの東」論集。好評の「国民国家と多文化社会」シリーズ第6弾


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